極楽蝶華 はぁはぁはぁはぁ 「それなら余計に納得がいかない。」 ユウちゃんを攻略するゲームの中身を想像してて、人気のない倉庫の中、都合よく閉じ込められて選択肢が出てきたあたりまで妄想してた脳内が不機嫌そうな声により現実に引き戻された。 ちなみに妄想の中で私は壁際にいるヘタレそうなアッシュグレーの髪の毛の男の子だったんだがね。 「へ?」 「綺麗な人に抱き着かれると嬉しいんでしょ?僕も『綺麗』の分類に確実に入るはずなのになーんで悠紀仁は僕が抱き着くとだいたい迷惑そ〜〜な顔するの?」 うはっ!! 嫉妬だ!折角だから今抱き着いてもいいと思うよ?! 抱き着くだけなんてケチなことは言わずにちゅっちゅとかしてもいいのよ。むしろするべき。 「え? だ、だって、その、奈緒先輩は……男の人じゃないですか。」 「男だけど、なに?」 ちょいちょい、と手を招かれて、なお先輩、と呼ばれた彼がユウちゃんに耳を寄せた。 内緒バナシ萌える。 ユウちゃんもじもじしてるテラかわゆす。 「……は?」 「だからその……むぇっ」 内緒話をする体勢から、更に不機嫌そうになった彼がいきなりユウちゃんに向かい合ってその顔をむにっ、と両手で挟み込んだ。 「悠紀仁は……こ〜んな、女なんかよりず〜〜っと可愛いクセに……胸に付いてる脂肪の塊ごときに……何で……」 ぶつぶつ、と半分虚ろな目をしながら彼が呪詛を呟く。 え、あれ、知らなかったの? ユウちゃんが女の子大好きで詳しく言うとおっぱい大好きで私の「ねぇちょっと小説の描写のモデルにしたいからライちゃんの膝の上に向かい合って座ってくれない?」なんてお願いする時も背中から抱き着いて胸をちょっと押し当てるとニコニコしながら頷いてくれて将来彼女ができるなら巨乳で可愛くてちょっと天然で優しいけど正義感は強くてお人よし過ぎて時々貧乏くじ引いちゃうような女の子がいいなって言ってるの。平たく言えば多くの男が考えるストライクゾーンに嵌まるような子なんだけど。 馬鹿め、鏡を見ろ。 お前が!!!そうだろうが!!!多くの!!!男にとって!!!ユウちゃんの存在自体がストライクなんだよっ!!! それなのに!!!なんで!!!女なんかになびくんだ!!!!!!!!!! あ、巨乳でなくてもストライクね。貧乳は萌えるし。おっぱいが大きい小さいなんて愛の前には関係ないのだよ。 もともとユウちゃんはおっぱい膨らむ性別じゃないだろ、って? ちん●んが付いてるか付いてないかなんて可愛いの前じゃ無意味なんだよ。 [*前へ][次へ#] [戻る] |