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極楽蝶華
なんかまた変なのが
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さんざんからかわれてパニクった挙げ句久遠先輩にまでおちょくられて胃の中のモヤモヤに消化不良を起こして不機嫌に腐っていた時。



「かごめさぁーん」

「あらともちゃん。どうしたの?コーヒー持って行こうか?」

「うぅん、……私ちょっと外に出て来るから、今日も晩ご飯頼んでいい?」



依然まったりムードの店内に、カウンターの奥に繋がってる戸口の向こうから女性の声が聞こえてきた。

会話の内容からして家族なんだろうが、この声の主が先程会話に出てきたトモミ、と言う人だろうか?

旦那の女装を大歓迎している小説家だとか言う。


「あら、大丈夫?スランプだから篭るって言ってなかった?」

「……、もうホント、アイデア浮かばないから本人達に会って来ようと思って。最近しばらく会ってないのがスランプの原因らしくて……。」








「あら、調度良かった。ユウちゃん達なら今来てるわよ?」


その刹那、返事もせず、部屋の向こうから猛ダッシュしてくる尋常じゃない足音が聞こえてきた。

予想をしていなかった展開に少しビビる俺。




「〜〜〜っ、ユウちゃんっ!!」

少し息を切らしながら勢いよく戸口に現れたその女性は……ドレッシーな黒いスーツに見を包んだロングヘアの美女。
20代半ばといったところだろうか、彼女はカウンターに悠紀仁がいることを確認するとその勢いを殺し切らないまま両手を広げて満面の笑みを浮かべながら悠紀仁を力いっぱい抱きしめていた。


「ひゃああああああっ!」


「あぁっ!ユウちゃんっ!相変わらず超かわいいぃぃぃぃっ!!」



尻を。

もう一度言おう。尻をだ。

悠紀仁に抱き着いて、背後に回した腕でそのまま尻を鷲掴んでいるのだ。


「っ……ちょ、オイィッ!!」

一瞬目の前の光景に目を疑っているうちに、一足先に正気を取り戻したらしい琉崎の家の長兄からツッコミが入った。


「あら、何?ユウちゃんの……お友達?」

「いや、そうだけど……まず手を離せ。」


悠紀仁しか目に入っていなかったのか、今になって軽く店内を見回した後……彼女の目が輝いた。



そして、その間も悠紀仁の尻を揉みしだく手は止まらない。
……久遠先輩が可愛いもんに思えてきた。あの人でさえもう少し慎ましやかにセクハラするぞ。

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