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極楽蝶華
差出人不明、の 謎。
 




「・・・・兄貴達は・・・・どうせもう知ってるんだろうね。。」


「あぁ、僕は生徒名簿見た時にね。」
「俺も同じく。」

「ちょ・・・・っ!俺の個人情報!」



悠紀仁が必要以上に焦ってるのはあれだ。
身長詐称して170cmと書いてあるから。

でもまぁ二人とも気づいてるけど言わない。俊が朝、体重でからかってどんな事になったか見てたから。


「俺はちゃんと悠紀仁の知り合いに聞いたぞ。そこの二人みたいに法に抵触するような真似はしてない。」


「俺の?・・・・誰よ。」

「Vogueのマスター。あの人経由でお前に・・・・その、渡しただろ。お前の15の誕生日に。」


「え?俺誕生日8月21日だけど。
まだ顔合わせてなくね?」

「え゙っ?
・・・・いや、あのマスターに聞いたらお前の誕生日2月23日だって・・・・」

「いやいや違うし普通に。なぁ敦?」

「ん。ゆーの誕生日は来月の21日じゃけん。ともちーが嘘ついたみたいじゃなぁ。」


お気の毒、と言ったように奈緒さんが俊ニィの背後で小さくほくそ笑んだ。
村上さんが小ばかにした目で兄貴を見てるのも決して気の所為ではないだろう。きっとあの人は悠紀仁さんのプロフィールそらで言える。

そしてどうやら、理由は知らないが俊ニィはそのマスターとやらにかつがれたらしい。
とりあえず悠紀仁さんの誕生日は8月21日か。もう悠紀仁さんが生まれた日だという事実を知っただけでその日が一年で一番大切な日に思えるから不思議だ。


「・・・・2月の23日に俺が渡したスカジャンどうなった?」

「え・・・・っ?あれの差出人・・・・お前か!!!」


「お前か、って・・・・は?え・・・・もしかして・・・・俺からって事、言われてない?」

「つーか・・・・俺宛てっつーメモだけ残して店に置いて行ったのお前だろ?」



「いや・・・・マスターに直接渡したっ・・・・お前一緒に入れておいたバースデーカードは?俺のアドレスと番号見てねぇの?」


「?そんなの最初から入ってなかったぞ。」




恐 ろ し い 。


悠紀仁さんの周りには一体何重の防護壁が待ち構えているんだ。
悠臣さん含めて自分の事を認めてもらわないと。俺はまだあの時ちゃんと認めてもらっていないし。

で、多分そのマスターは悠紀仁さん目当ての奴らからのアプローチを見事に防御してきたんだな。
今までずっと。・・・・そいつも悠紀仁さん目当てなのか?

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あきゅろす。
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