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極楽蝶華
譲れない戦い





一触即発、と言った雰囲気になって鼻面突き合わせたとき、
目の前にぱっ、と手の平が介入した。


「そーこーまーで。
なーんでお前らそんなくだらないことで口喧嘩すんの。
あれか。この世の全てが気に入らないお年頃か。」



ぐいぐい、と胸の真ん中を押されて突き放された。
2m弱離れた俺と獅子緒先輩の間に悠紀仁さんが割って入る。


『くだらなくなんか無いですよっ!』

「そうだよユウ。すごく重要な問題だよ。」


俺達がそう至極真面目な顔をして言うと、悠紀仁さん呆れたような表情をして椅子に座り直してしまった。

背中に【やれやれ】と書いてある。


『なっ・・・・そ、そんな喧嘩止めたいんなら悠紀仁さんが決めてくださいよっ!』

「うっせーよもーアホ!
二人ともくっつくな!」


ペッ、と肩にかけた手を払われてがっくりと肩を落とした。
うぅ、頭撫でてもらおうと思ったのに。



ちりちりと後頭部を焦がす視線に振り返ると、すぐ真後ろに立つ獅子緒先輩に不躾な目を向けられていたのに気が付いた。

その目は
「お前の所為でユウに怒られた」
と語っている。

八つ当たりもいいところだ。こっちこそあんたの所為で悠紀仁さんに触って貰えなかったと言うのに。

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