極楽蝶華
2
そのあと2回ほど悠紀仁さんの言う【宗教の勧誘】や【キャッチセールス】に本人が声をかけられていたのだが・・・・
・・・・見事にきっぱり無視したあとに
「いっつも駅前うろうろしてると声かけられるんだけどさー、あれってついていくと詐欺紛いの商品買わされたり怪しい宗教の集会に連れてかれたりするんだろ?
なんで警察はあーゆーの取り締まらないのかなー。」
と言っていた。
・・・・俺はあなたの未来がものすごく心配です。
違いますよ。スカウトですよ。悠紀仁さんが可愛いからですよ。
あの人も第一声が
「ちょっとごめんね、今いいかな?さっきから可愛いなーって思って見てたんだけど、君モデルとか興味ある?」
だったのに宗教の勧誘に間違われるとは浮かばれないなー。
まぁ浮かばれなくていいけど。
男にしては華奢過ぎるし、中性的な体型だし、可愛いし、多分彼等には背が高めのとびきり綺麗な女の子に見えたんだろうな。
まぁ気持ちは解らなくない。
「お、あったあった。あそこ。あそこの2階。」
悠紀仁さんが指をさす先には、煉瓦づくりの3階建てのちょっとレトロなビルがあった。
一階はバーをやってるらしく今は準備中の札がかかっている。
そこの2階から突き出ている看板に書いてある【Gate of Heaven】と言う店が目的地らしい。ようやく目当ての店にたどり着いたようだ。
この季節、店内なら冷房が効いている。
さっきくっつき直そうとしたら「暑い!」って怒られたけど、屋内ならきっとベタベタできるに違いない。
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