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極楽蝶華

 




「スプレーと、化粧品の臭い、物食ってる時に嗅ぎたいか?」

『……ちょっと嫌かも。』

「だろ?
本人達は自分からしてる臭いだから鼻がバカになって気付かねーんだよ。
まぁ、俺らが食い終わってから始めてくれて助かった。横でやられてたら確実に文句言ってたわ俺。」


そういやこーゆー店来たことないんだっけ。
確かにファミレスかファーストフード店でもなきゃ流石に化粧する人は見たこと無いし俺も。
うーんそーいや人前で化粧する、って電車の中とかもあんまりイイ印象は無いしな。


それに犬科だもんなお前。
鼻利くから食事時に化粧品の匂いはダメなんだな。


一人納得してると不動に頭を抱き込まれた。んでもって髪の毛にちゅーの感触。

『何。』

「ちょっとあの臭いがまともにキタ。気持ち悪い。」

『で、何。』

「お前イイ匂いだから、口直し。」


ふんふん、と鼻を鳴らす音が上から聞こえた。
やっぱ犬科だなお前。

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