極楽蝶華
2
「スプレーと、化粧品の臭い、物食ってる時に嗅ぎたいか?」
『……ちょっと嫌かも。』
「だろ?
本人達は自分からしてる臭いだから鼻がバカになって気付かねーんだよ。
まぁ、俺らが食い終わってから始めてくれて助かった。横でやられてたら確実に文句言ってたわ俺。」
そういやこーゆー店来たことないんだっけ。
確かにファミレスかファーストフード店でもなきゃ流石に化粧する人は見たこと無いし俺も。
うーんそーいや人前で化粧する、って電車の中とかもあんまりイイ印象は無いしな。
それに犬科だもんなお前。
鼻利くから食事時に化粧品の匂いはダメなんだな。
一人納得してると不動に頭を抱き込まれた。んでもって髪の毛にちゅーの感触。
『何。』
「ちょっとあの臭いがまともにキタ。気持ち悪い。」
『で、何。』
「お前イイ匂いだから、口直し。」
ふんふん、と鼻を鳴らす音が上から聞こえた。
やっぱ犬科だなお前。
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