極楽蝶華
あほー
どうやらそれは、昨日高裏さんが食堂に行くとき残した言付けらしかった。
開けるのなんてせいぜい一時間もないだろ。
律義な人だなー……
自分も一応
[友達起こしてきます。すぐ戻るので心配しないで下さい。]
と残して部屋を後にする。
……がまた戻ってくる。
『全館冷房とかいらねぇーし……』
ドアを開けた途端流れ込んで来た廊下の空気に尻込みをしたらしい。
『これは確か備え付けの毛布だよなー……』
ベッドの上に出ていた毛布を引っ掴んで被る。
うん。ぬくいぬくい。
気を確かにしてもう一度廊下に出た。
すぐそこにある自分の部屋の扉に手をかける。
―ガチッ―
……あ、鍵忘れた。
取りに戻ろうと少し戻って高裏の部屋の扉に手をかけた。
……が。
―ガチッ―
……ん??
そのときパンフに載ってた不吉な一文が浮かんで来た。
[防犯カメラや警備員、オンライン管理されている防犯システム、寮内の全室に取り付けられた通報装置、インターフォン、オートロック等、寮のセキュリティは万全で、連絡により地元の警察に通報が……]
[オンライン管理されている防犯システム、寮内の全室に取り付けられた通報装置、インターフォン、オートロック等]
[寮内の全室取り付けられた通報装置、インターフォン、オートロック等]
[オートロック]
……俺の阿保ー。
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