極楽蝶華 3 「えぇじゃん、たかちゃんのケチ。」 「だから……その呼び方は止めてください。 家族ぐるみでの付き合いは今後あるでしょうから、下の名前で呼ぶのが望ましいですが流石にその名前で呼ばれるのは嫌です。」 「えっとー、じゃあ……たかやにゃん?たかにゃん?たかにー?にーにゃん、にゃんにゃん……」 「……最初に言っていた【たかちゃん】とやらでいいですからそれで呼ぶ事だけは止めてください。」 村上が身の危険を感じてストップを申し出た。 「にゃんにゃん」とか呼ばれる村上もちょっと見てみたかった気はする。面白そうだから。 それにしても俺のあだ名も流石に気恥ずかしい物があるな。 呼び捨てでいいから普通の物に変えさせ…… 「でも、良かったー隆也さん。 前あちのあだ名徹底的に拒否したやつがさぁ、最終的に【鼻毛】って名前付けられちゃって。 そいつも 「それだけはやめろ!」 って言うのにあちは 「いーや決めた!もう変えん!」 って聞かなくてさぁ。もうそいつのあだ名鼻毛になっちゃって、皆もそう呼ぶんだよ。悪ノリして。」 「……それは、拒否し続けていたら私もそういったあだ名を付けられたのですかね?」 「まぁ、あちなら多分。」 ……いや、変えろと言うのは止めておこう。 「あぁ、鼻毛かぁ。……敦最近会ったか?どうしてたアイツ。」 「一昨日遊んだけど相変わらずゲームとバイクバカじゃったよ。……ゆーに会った言うたら鼻毛だけじゃなくてチームの奴ら煩いでー。」 それにしても聞けば聞くほど残念なあだ名だな。 『……なぁ、そいつの本名はなんなんだ?』 ふと好奇心が持ち上がって尋ねてみた。 どのくらい原型を留めていないのかも気になっていたし。 「……さぁ。忘れた。ゆー覚えとる?」 「いや、俺も鼻毛としか呼んでなかったから忘れちゃって……レオは?」 「……確か聞いた事あるけど、鼻毛としか認識してなかったから覚えてない。」 ……こんな状況にならなくて良かった。 あと原型を留めたあだ名が付いたのはまだマシだったみたいだ。 「そーいや敦、何で鼻毛に鼻毛ってあだ名付けたの?」 「天啓。」 と、するともっと酷くなっていた可能性があるわけだな。 面白そうだから転校して来た敦が高裏や三船にあだ名を付けようとしてるときは止めずに横で見ておこう。 [*前へ][次へ#] [戻る] |