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極楽蝶華

 器を片付ける高裏さんが、心配そうにこちらに視線を向けてきた。

「やっぱりまだ顔色が悪いな……」

『はぁ……でも、本当にありがとうございました。飯も食ったし、そろそろ俺部屋に戻ります。』


「……駄目だ。まだ立てるような状態じゃない。

 それに……相原君だったか。君の友人が言ってたが、同室の人は……具合が悪いルームメイトを看病するような奴じゃ無いんだろ?」


それは確かに。


それに、一応約束はしたが……


隣の部屋から男の喘ぎ声でも聞こえて来たら余計具合が悪くなりそうだ……。

「とにかく、怪我も酷いんだし少なくとも今夜はここにいなさい。
 相原君にも知らせてあるから明日学校は休むといい。」

『ありがとうございます……』

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