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極楽蝶華
問題勃発
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…………廊下が騒がしい。

――何かあったのか?


学年の寮長、という立場から外の確認に向かおうと手の中の書類から顔を上げた。


――問題があったらすぐに対処できないような場所に居て、何が寮長だ……


いい加減な人が多過ぎるんだ。ここは。


特にだらしのない――頭は良いのだが――会長への個人的な怒りをふつふつと思い出す。

出来ない、のではなくできるのにやらない――という彼に、幾度と無く頭を悩まされてきた。


総寮長であると同時に生徒会長、という立場の者が夜間の無断外出や校内での喧嘩など率先して規則を破り、問題を起こされては困るんだが。

――それはともかく。



―ガチャ―

「……ぃっ!!、だから、僕の友達だって言ってるだろ?!!何する気だよっ!!」

「別にぃ……イイ事するだけだって。相原君も一緒にどう?」

「お断わりだっ!!いいから離れろ!」

「恐いなぁ――具合悪いみたいだから、介抱してあげるんだよ。」


扉を開けて直ぐ、口論の声が聞こえる。


『おい……

  ……何をしている。』

「……っひ、……た、高裏さん……」

「…い、ぇ…別に……」


「嘘付くなよっ!!」


倒れている少年……その横に屈み込んで彼を庇うようにしている1年生と、その周りに群がる2年生が言い争いをしている。


『何があったんだ……?』

「な……何でもありませんよ。なぁ??」

「あ、あぁ。……もう行こうぜ……」


「……っ、あ、おい待てって……!!」

蜘蛛の子を散らすように4人が逃げていった。


『……何があった?』

「あ……助かりました。ありがとうございます。

 ……今、この子――友人なんですけど――が倒れてて。それを上級生が囲んで、意識が無いのに……部屋に連れて行こう、って話してて……

僕が言っても聞いてくれなくて……ほんと、助かりました。」

一難去って安心したのか、ようやく人心地ついたように警戒心を解いて目の前の一年生が頭を下げた。

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あきゅろす。
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