極楽蝶華 攻撃力Up 「え、え、え、え、……何。何だこの可愛い生き物は。」 「はぅ……ッ!! 萌え、ドストライクゥ…ッ!! 何、可愛すぎ……」 言うまでもなく、後者が猛。 二人の弟は笑いすぎた後で息が荒いまま口開けっぱ&唾液垂れそうな状態で悠紀仁ガン見しているため次男に負けず劣らず危険がアブナイ感じになっている。 不動は、あちゃー、って感じの表情。 「……ここに連れてくる前に接触したのは、久遠先輩と春日だけ、ですよね? ……何をしました?」 『酷いなぁ。のっけから決めてかかって。』 「私が部屋にお送りした時まではこのような喋り方はしてませんでした。 ……貴方がたに原因があるとしか考えられないのですが。」 『僕だってこんな可愛い喋り方するなんて知ってたら多少後ろ髪引かれようともこんな腹空かせた猛獣の檻になんて連れてこなかったよ。 ……理由なら僕の方が知りたい。』 原因が解ったらこれから事あるごとにこんな可愛くなってもらえるじゃないか。 「……なら、どうして春日は悠紀仁様のその口調を聞いたとき【しまった】とでも言う様に顔を歪めたんですかね?」 『……テメェ、表情くらい隠せっつーのクソ。』 「ツゥッ!!」 だんっ、と思い切り体重をかけて踵で爪先を踏み付けたら春日が顔をしかめて声低く呻いた。 うーん。 ……やっぱり革靴じゃないと攻撃力がイマイチだなぁ。 [*前へ][次へ#] [戻る] |