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極楽蝶華

 


「……その【マズイ事】の元凶は今医務室に強制収容されている。
大分出血量も多いから今晩はこれ以上問題は起きないだろうがね。」

『あぁ、大変な惨事だったらしいな。
談話室の全面改装前で良かったじゃねえか。まぁ……それだけが救いだけどよ。』


ホント、何て事してくれんだ獅子緒センパイはよぉ。

きっとあの猫被りとかこの眼鏡は俺の事下処理代わりに使いやがるし。


猫っ被りの王子サマはきっと大分遊んでやがるが、キャラ作りの為にその事上手いこと隠してっし。
コイツは、童貞は有り得ないがSEX好きではなさそうだし。
……つーか村上性欲あんのか?


悠紀仁にバラされたくねぇ性遍歴あるから、こっちは下手に逆らえねぇ。
軽蔑……されたくねーから。

自分の下半身のだらし無さに初めて嫌気がさした。



「久遠先輩と話し合っておいたが、12月の選抜選挙まで悠紀仁様の周り……私達がどう動くか、についてなんだが。
悠紀仁様と同室、同じクラスの君の協力が不可欠になる。」

『……まぁ、大体想像は付くけど、どうする訳?』


確実に、悠紀仁は次回の副会長選抜で1位になる。

なんせ、あんな可愛いんだ。ならねぇ訳が無い。



この男が言っているのは、それまで悠紀仁の事をどう守るか。
生徒会役員になったらそれこそ周りは手を出せない……が、問題はそれまでの過程……


「まず……悠紀仁様の生徒会入りは、12月になる。」

『まぁそーだろうな。』


獅子緒先輩がすぐにでも生徒会入り出来るのは……あの人が一応3位に入っているから。
悠紀仁は選挙の時にはまだ学校にはいない。

かと言って、俺らが特別扱いでランキング入りしてないアイツを(下馬評じゃ現時点でもうぶっちぎりトップだが)生徒会役員にしたら、それこそ悠紀仁が俺らの【大切な人】だと公言してるようなもんだ。

今現在でも敵が多い、のに……

『……これ以上目立たせるのはどう取ってもプラスにはならねぇ。』

「そう言う事だ。」

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