極楽蝶華
二人ともアレ。
が
『遅ぇんだよオメェラッ!!』
ちゃり。
ドアが完全に開く前に物音だけで反応する俊。
最近野生化してきている。
『……何話してたか、もうどーでもいいからとりあえずこっち来い悠紀仁。』
うじうじ考えてる間に、もうこの話には触れないことを決めたらしい。
「……オニィチャン、昨日も悠紀仁抱っこしっぱなしだったじゃん。
順番こぉー。」
『うっせーよ昨日は昨日今日は今日、だ。
っつー訳でこっち来い。』
「うゎ、」
来い、と言っているが腕を掴んで有無を言わせず引き寄せている俺様。
昨日に引き続き我が儘。
「ズリィーよ俊悠紀仁膝抱っこぉー。
半分よこせ半分。」
「え?」
『お前あんまくっついて座るなよ暑ぃなバカ。』
「しゃーねぇダロ近付かなきゃ悠紀仁ぎゅーって出来ないんだし。」
「え?え?」
悠紀仁茅の外、で話と行動が次々と進み……いつの間にか密着して座る双子の上に乗せられてる悠紀仁。
「ん〜〜……
悠紀仁抱き心地気持ちイイ〜♪……隣が邪魔だけど。」
『腰……ホント細ぇなお前。まぁ腕回すには調度いいけどな。
……隣が抱くのに邪魔だが。』
どっちもアレだ。
「……俺は抱き心地良いとか言われても嬉しく無い。」
悠紀仁、むくれる。
『ん?何だよ褒めてんだぞ?』
「そうだよ〜……
あぁ、もぉホント萌える〜」
『……何だそれ。』
「ん?」
『いや、その……【もえる】って何。』
「何かねー、【可愛い】の最上級なんだってぇ〜。
心がぴょんぴょんするほど愛しい対象につけんだよ……で、更にそれにテラ、ギガント、って付く。悠紀仁はテラ萌えス☆」
テラ、ギガ、って……
『……情報量とかに使う単位じゃねぇかよ。』
「知ってるよそんくれぇ。
でも今そう言うんだってー。(←何処情報だ。)
だからいんじゃね?悠紀仁可愛いんだし。」
『……まぁな。』
「だから……俺可愛くないってばッ!!嬉しく無いし!!」
悠紀仁の叫びは完無視。
清々しいくらいに無視。
んでもって双子で揃って悠紀仁にベタベタ。
『オイ、何か騒いでんぞ。』
「俺今悠紀仁にめろめろで聞こえなぁーい。」
んで、二人揃ってバカ。
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