創作 今日1日の消費カロリー半端ない side柊樹 6限が終わり、やっと下校だ。疲れた。今までの人生で1番密度の高い1日だった自信がある。 新しい学校に行く途中に親友から痴漢され、不良の席に間違って座り、そいつと友達になり、親友が女子に拐われ、ドMにからまれ、計5人の不良と知り合いになり、5人中2人衝撃の事実が発覚した。 もうなんかの賞もらってもいいと思うオレ。がんばったで賞を今こそ授与してくれ。 新しい友達は5人ともはじめて会った気がしないほどしっくりきたし、個性的でおもしろい奴らだ。…もう少し抑えていただきたいけど。 田村もすごくいい奴で、また明日会うのが楽しみだ。 カラフルレンジャーズもみんなタメ語でいいって言ってたし。まあ実際タメだから当たり前なんだけど。 後は帰りにゲンにこの変な気分を相談して、かつアイツが最近変な理由を話してくれたらパーフェクトだな。 「ゲンー帰ろうぜー!」 「あー悪い。俺今日から部活参加しろって言われてんだ。」 「マジで!?オレまだ入部届すら書いてねーんだけど!」 「俺も書いてねー。なんか中学ん時の先輩がいるらしくて部長さんが勝手にサッカー部に入ることに決まったらしい。」 「おおう…すげー豪腕な部長さんだな。」 「ああ。だからわりーけど先帰ってろ。痴漢に気を付けてな。」 「…犯人目の前にいるよ。」 忘れたとは言わせねーぞ。 「朝のはお前アレ痴漢じゃねーよ愛撫だ愛撫。」 「ボコホコにされてーのか!!」 「ふーん?」 「あっすいません無理です。」 勝ち目0だかんな。悲しいことに。 「わかればよろしい。」 「んーじゃあ部活頑張ってな!じゃーなー!」 「柊…」 「ん?」 「…なんでもねえ。また明日。」 「…おう。」 ほら。なんかオレに隠してる。もとから根掘り葉掘り聞く気はねーし、隠したいなら隠せばいいと思ってるけど…それでもやっぱここまであからさまに隠し事してますって感じだとモヤモヤする。 関係ねえ秘密なら関係ねえでいいんだけど、なんとなくそうじゃないって気がする。 ただの勘だけど… 1人で駅まで歩く道が長い。ゲンといると徒歩5分の道なんてあっという間なのに。 やっぱオレは… 「あーー!!もーいーや気にしねー!!」 オレが考えてたってどーにもなんねーからな!! あと女子に睨まれたので道で叫ぶのは金輪際やらねえと決めた。 この学校は偏差値低いから必然的にガラのよろしくないやつらが集まるわけで。オレのリサーチの結果どーも所謂不良校ってやつらしい。 するってーと女子率が低くなってる。 そのクラスに10人くらいの数少ない倍率高い女子に嫌われないように… もとい、この不良校に入るようなクソ度胸ある怖い女子に目ェつけられないように。ビビりでわるいか!! 1人寂しく安全に電車に乗り、本屋に寄ってから帰宅した。いつでもハイテンションの母ちゃんをかわして自分の部屋で寝そべる。 考え事をしてるとケータイが震える音がした。そいやーバイブのままだったなー ケータイを開くと画面には名前じゃなくてアドレスが表示されてる --------- 田村勇大だ。 ---end--- うん。田村らしい。 --------- お前らしいなw 明日からまたよろしく!わかんねーことばっかだからまた教えてくれよ。 ---end--- 返信はすぐにきた。このくらいのことでテンション上がったのがちょっと癪だったけど。 --------- そのwはどういう意味だ? ---end--- あれ?いかにも内山が多用してそうなのに知らねーのか? -------- (笑)って意味だよw ---end---- またすぐ返信。まあ文自体お互い簡潔だしな。 --------- そうか。 おやすみw ---end---- …うん。がんばったね。なんか違うんだけどこの際いいや。ぜってー微笑みくらいの笑いとしてうけとめてるよアイツ…。 --------- おやすみ。 ---end--- もう今日はこのまま寝よう。なんか気分いいし。メシも風呂も朝でいいや。 電気を消して、考え事をしないように努めた。 まだ答えを出すのは怖いから。 …でも、そう思った時点でオレの答えはもう出てる。 認めてしまうと戻れなくなりそうで、考えてるふりして腹をくくれないでいるだけなんだろう。 だめだ。なんかアタマん中だけで考えるのはオレには合わない。明日また会えばわかんだろ。 あっ…考え事しないようにしたのにめちゃめちゃ考え事しちゃったよどーしよ。どーでもいいか。 [back][next] [戻る] |