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対照的な二人
第一話  イタリアからの訪問者




イタリアのある酒屋

そこで一見、場違いな気がする赤ん坊は
被っている帽子を眼深くかぶり直し、
はるか遠い、ジャッポーネの空へ心を向けていた。







並森中学校の体育館
そこで一人の少年・沢田綱吉はバレーボールを見事に顔面キャッチをしていた。



彼は通称「ダメツナ」と呼ばれる
その訳はほかでもない彼自身の行いからだ。

テストは常に赤点
運動もできない
まさにダメな綱吉、略して「ダメツナ」

彼自身もはやすべてに諦め、その姿は何とも情けなく
見ているこっちが悲しくなってしまう生き様だった。

さらに彼にのしかかる
失恋の新事実

前々から思いを寄せていた笹川京子と、剣道部主将の持田が付き合ってますよ感溢れる場面に遭遇してしまったのだ


世界で彼ほどダメダメ人生を送る者はそういないだろう…






「はー
 もうやんなっちゃうよ〜」


所変わってここは沢田家

失恋のショックに勝てず、これで何度目かは分からぬ学校ざぼりをし家でゴロゴロとしていた。

そういう所がダメツナなのだという事に、なぜ気付かないのだろうか



『またサボったのお兄ちゃん?』

「うぇぉわあ!!
 ってなんだ〜千代か〜」


金髪じみた髪の長い少女

あまりにも静かすぎて、背後に居たのに気付かづ
思わず飛び跳ねってしまった。

が、少女は何を隠そう綱吉の可愛い妹の千代 

少女を見るや否や、
まるでハートマークでも飛んできそうな勢いで熱い抱擁を施す。

若干うざがられているがそこは気付かぬふり
何より今は癒しが欲しいのだ。

と言っても普段からこんな感じなのだが



「綱吉ー 学校から電話があったわよー」


抱きしめる兄に、本気で嫌がる妹
そんな二人の母の声が下から聞こえてきた。

いや、正確にはまだ言いながら二階へと上がってきている


やはりまたサボったのかこの兄は
冷ややかな視線を兄に向け、いきなり部屋に入ってきた母に気を取られている間に腕の中から抜け出した。

ここから先は想像つく展開
一般的な思春期の子でもと、母親の会話
付き合い切れ無いので下に降りることにした。

今日のおやつはわらびもち

手でも洗ってこよう
お兄ちゃんは…まあ後で来るだろう

とりあえず放置を決め込み階段を下る…が


「ちゃおっす」

『?ちゃおっす
 きみ誰ですか?』

「お、その年で敬語を使えるのか?いいことだぞ
 俺はリボーン
 沢田綱吉はどこだ?」

『ほめてくれてありがとう、りー君。
 わたしは千代 
 お兄ちゃんは上にあがって突き当りの部屋。
 お母さんとお話し中』

「(リー君?)そうか」

『抱っこしようか?』

「わりいな」


目の前に突如現れた赤ん坊
彼が何者なのか
普通に案内していいものなのか

疑問は無いわけでない、が今は兄の元へ連れて行かなくては
そう頭の片隅で思ったのだ。

それが超直感であると知るのはまだ先だ


部屋に近ずくにつれ二人の喧嘩が聞こえる
今はやめた方がいいのでは?

そう伝えれぬうちに彼はさっさと中に入って行った。



「ちゃおっす」


母と兄 唖然 
いきなり現れた赤ん坊に驚いている
まあ、当然か

さらに彼は兄の家庭教師と言うではないか

お兄ちゃん、赤ちゃんにすら劣る知能なのね
どこかずれたことを思ってしまった

が、次の瞬間爆笑しだした兄を投げ飛ばした。



この場に居る者すべてにいろんなことを根付けて、彼は登場を果たしたのだった

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あきゅろす。
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