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王子のソレッラ  
第二話  緊急事実







ボンゴレ独立暗殺部隊ヴァリアー

その城の一つの部屋の主、
ベルは普段どうりのボーダー柄に隊服を身につけて
先ほど受けた呼び出し通り
嫌々ながらも広間へと足を運ぶ。


途中、同じく隊服を身にまとい宙を舞う赤ん坊と
そしてその補佐でベル自身の命令で
蛙の帽子を被るはめになったフランと出くわした



「ム、どうしたんだいベル」

「本当ですー こんなに朝早く起きてるなんて―」

「うるせえよ。
 作戦隊長に来いって言われてよう。
 なーんかイヤな予感すんだよね、王子的に」


ふーん 
と興味なさげな返事が返ってきてムッとしつつ
ベルは待ち人がいるであろう、広間へと向かった。



・・・・

何を思ったのかマーモンとフランがついてきた。
その二人を特に追い払うことを無く、
ただ指示に従い広間へと入る


「よう、弟ちゃん」


部屋に入れば夢で見たばかりの兄
ラジエルとその執事オルゲルトが居た

何故ここに?
そう思ったが、声に出さない
よく見れば兄のボス、ユニと
自身のボス ボンゴレボス綱吉 その家庭教師リボーン

さらには緑色の髪をした赤ん坊もいた


「なあ、その緑ちびは?」


おしゃぶりを付けているあたり、彼もアルコバレーノだろう
そう判断して後ろに居るマーモンに問う


「彼はヴェルデ
 たぶん君の察してるであろう通りのアルコバレーノの一人。
 マッドサイエンティストさ
 彼の科学者としての知識と技術はトップクラスなんだ」
 
「ふーん、で?」


何しに来た
そう問えば、ヴェルデではなく綱吉が初めに口を開いた


「まずベル、そしてジル
 君達に確認したいことがあるんだけど
 
 君たちのファミリーネームはローレック?」


言いづらそうに
しかしはっきりした口調で聞かれる
思ってもいない問いに、思わずジルとベルはお互い見合わせた。


「確かにそうだが でもいきなり何なんだよボンゴレ」

「そうだぜ、今更どうでもいいじゃん?」


ローレック
その苗字はあの国を抜けた瞬間
いや、両親を殺害した時点で捨てたのだ
それなのに今更なんだ

意図が読めなかった



「実はね」


それまで黙っていた緑の赤ん坊
もとい、ヴェルデが口を聞いた


「実はね、ラジエル君、ベルフェゴール君
 君たちには血のつながった実の妹がいるんだ。」


はあ?
声にならぬ声をあげる
その息の合い様は さすがは双子と言ったところか


「なに、あのじじい
 余所にガキ作ってたの?」

「うーわー 王子あっきれる〜
 おい オルゲルト知ってたか?」

「申し訳ありませんジル様
 私にもわかりかねます」


三人とも知らなかったようだ。
それを見て、再びヴェルデが口を開いた


「違うよ、
 君たちの母親の胎(はら)に君たちの父親の子が居たのさ」

「はあ?何言ってんだ。
 親父はベルが、おふくろは俺が刺した。
 かりにガキが居たとしても出産できるわけね―だろう」


ジルの反応にそうだと言わんばかりにうなずくベルとオルゲルト
それをみて「まあ落ち着いて最後まで聞きたまえ」と見た目に合わぬ発言をし、諭す赤ん坊


「いいから最後まで聞きたまえ
 確かに君たちは親を殺し、その胎児は胎の中で死んでいくはずだった

 だが私の目はごまかされなかったよ。
 たまたま実験体として新鮮な死体を求めていてね
 君たちの城に寄ったら、まだ腹も膨れぬ母親が居たのを見つけ、
 遠出していた君たちの使用人に頼まれ 
 その赤ん坊を立派な人間としたのさ」



そこで区切り、カップへ口をつける
くそう、余裕こきやがって
この男とはそりが合わなそうだと双子とその執事
それプラスその場にいる者は思った


「あのー、いきなり口出しして申し訳ないんですけどー
 立派な人間にするってどういうことですかー?」


そのムカツク赤ん坊に口出ししたくなったのか
はたまた純粋なる疑問からか

それまで完全に傍観者だったフランが口をはさんだ


「ああ、実は母親
 つまり妃殿の中に居た赤ん坊は まだ人間とは呼べない形状でね
 まだ2・3か月程度の姿だった胎児を胎から出し
 私が作った偽胎内カプセルで
 …それこそ長い年月をかけ立派な人間の赤ん坊にした。」


つまり表で言う出産みたいな出来事が起きたのさ
良い実験だったよ

そう続ける
そういい切った彼に一つに疑問を抱き、
ベルは手を挙げ問い出す。


「はーい しっつも―ん
 あんたが頼まれて、実験をしたさに
 その人間まがいを人間にしてしまいました。ってのは分ったけどよ」


「「それを俺や(ベル・ジル)に話す必要あったわけ?」」


双子ダブルで問われたが平然としている
その余裕さにやはり腹立つが まあいい
とりあえずは返事を待った


「ああ ここからが本題だ
 実は胎児…アイラと言うんだが
 彼女は・・・・・」

ーーーー

 



 



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あきゅろす。
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