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炎の決意
第一話  炎と壊れた母 上




・・・
濁った空気
道端で亡くなった人
ゴミ捨て場に居る赤ん坊を狙うカラス共

腐った町で俺は再び生を受けた。
そう、再び

俺には信じてもらえないだろうが、前世の記憶がある。
なんか一昨年くらい(今は6歳ちょい前だから4歳くらい)に思いだした。ふらっと。

小児がんで中学生までしか生きれなかった。
そして、そのほとんどは自然あふれる外を窓から眺めては 病室の中で暮らしていた。
することと言えば、絵を描くか勉強だけの生活に飽き飽きしていた。
時たま産婦人科のコーナーで赤ん坊と遊んで(世話をして)いたが
性格は、すっかりぐれていたと思う。
でも、まさかこんな下町に生まれるとは
日本の自然がなつかしい

俺の名はルカ
この名前は今の親に貰ったわけでない。
今の親は俺をほったらかしで、名すら付けてもらえなかった
だから、前世の名前、瑠香の名を利用している。

一人称は俺だけど、これでも女だ。

一応言うが、前世も女だった。

でも、みんな俺の顔を見たら少年だと思うだろう
黒い髪に赤い釣り目。
加えて、負けず嫌いな性格が合わさって 売られたケンカを買ってしまう。
だから自然とぐれ度が増し、男として育ってしまった。
俺といい出したのもそのためだ。



・・・


この日は調子が悪かった。
10人近い不良どもから逃げることも
ましてや戦うことも叶わなかった。


気がつけば殺れる一歩手前だった。

こんな奴らに負ける
せっかくまた生まれたのにこんなに早く、
こんな汚いところで俺は死んでしまうのかよ

いやだ いやに決まってる
その時、俺の手にぼうっと炎がともった。

手のひらに灯っるにも関わらず、熱くない
力強い炎が



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あきゅろす。
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