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炎の決意
第三話  かみ合わない





「失礼しましたーーーーー」




部屋にただひとり
ルカが勉強机に座ったまま扉を見続けていた。

先ほど悲鳴に近い声をあげ
このルカの部屋から逃亡したのは
ルカの35番目の家庭教師…だった男だ。

先ほどまで授業をしていたのにいきなりの逃亡。
実は、このことは初めてのことでない

と、いうのも今まで家庭教師34人すべて、2週間ともったことがないのだ。

そして今回も、僅か10日間という悲しき現実



ここに来て早2年近く
今年で8歳になるルカ。
その目つきは日を追うごとにひどいものだと周りの者はとらえていた。



『今回もでってた。なんでだ?』


あなたですよ原因は・・・
メイドや使用人たちは心の中で言い返す。
あくまで心の中で
そんな中勇気?を出したのは雷の守護者だった。


「いったい今回は何があったんです?」

『いや、前に習ったところだったので
 つまらないから他の所にしろって言ったんだ。』

「・・・どういう風に?」

『?だから


『おい、(その勉強は分かってるから)つまらん。』

「はっへ?」

『だからさっさと(その話を)やめろ』



「・・・
 言い方が…悪いですよ坊ちゃん」

『そうか?
 言葉が足りなかったかな?』


きっと今頃父さんに辞めさせてくれとか言ったんだろう。
今日怒られるかな…
てか

『坊ちゃんはよせ
 ルカでいい』

「はいルカ様」


様も止めろ
だがめんどくさくなったので言わない。
ハー、慣れねえな。







・・・・


「ルカ様、夕食のお時間です。」

『あ、ああ今行く。』


とうとう夕食の時間になった。
やばい怒られる。
今の俺を例えたなら、(見た目は別として)飼い主に叱られる前の少動物。
食欲失せるな…




『お、遅くなりました。父さん』

「うん。それじゃあ食べようか」



怒らないのか
一つも迷惑かけるのに器が広いな そう思って席に着く。
食事中も問題なく終わってデザートに手をつけた。
ちなみに俺は甘い物が好きだ。
しつこい甘さはむかつくけど・・・

それにしてもこれおいしいな〜


「あ、そうだ
 ルカ また家庭教師に逃げられたんだって?」

『!?』

「そこでなんだが、もう家庭教師はやめようかと思う」


・・・


「「「「「「『は?』」」」」」」

「いやー
 守護者たちと息ぴったりだな」


いやいやいやいや
というか守護者にも話してねーのかよ

その場に居る者みんなが、虚を突かれた顔をしている。
そんな中 一人ニコニコ顔の父さんに突っ込みを入れる気力もなく
虚しくも心の中でしか言えなかった。



「でっでわ
 どうするんですか?ボス」


ナイス、雨の守護者
そうだよ。これからどうするんだ


「うん。
 まだ早いかと思ったがマフィア学校に通ってもらう」


今度は誰も声を出さない
というか、出せなかったんだ・・・

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あきゅろす。
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