眼鏡男と団子女。
ファンタジックな一員
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「酷いねぇー。なんか視界がぼやけてきたよぉ。」
眠くなるような口調で、細い目をさらに細くする狐目くん。
「なんか用でもあるの?」
思わずきつい言い方になったけど仕方ない。あたしは朝から機嫌が悪いんだから。
案の定狐目くんは困った顔をして、こちらを見つめる。そして言った。
「探偵団に入らない?」
呆れた。ホントに何なんだろう、この子。
自然と寄った眉間のシワを押さえながら、目線を合わす。
「それは誰に言ってるのかな。」
「御原友ちゃん。きみだよ。」
駄目だとは分かってるけれど、初めて人様を殴りたくなりました。大体、何であたしの名前を知って・・・・。
「おー、狐目。久しぶりだな。」
「眼鏡!!ホントだ、久しぶり!!」
あれあれあれ?おかしいな。あたし、どうかしちゃったかな。狐目くんと、あたしの幼馴染みが話している幻覚が見えるよ。なんか、呼び名もお互いテキトーに聞こえるよ。
あたしが軽い現実逃避をしていると、純が苦笑いで「お前、本当に大丈夫なのか?」と言った。
純は狐目くんと肩を組んで、あたし達に、自分達は探偵団の仲間だ、と説明してくれる。
いや、知りたくなかったんですけど。できれば知らないまま人生終えたかったんですけど。あなたもファンタジックな一員だったんですね。
さっきの純じゃないけれど、苦笑いが洩れた。それを、青葉は肩を叩いてなだめる。
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