懐かしい温もり。
スクアーロと電車に乗ってあっしの好きなブティックに向かう。スクアーロは隊服を着てる為人目を集めてしまうが、仕方ないよ。
「ゔぉ゙い…何かうぜぇぞぉ」
「我慢しようよ。だって君がその容姿だけにさ」
「あ゙ぁ? 意味解んねぇ」
スクアーロはかっこいいんだもん。髪も長いし服装もあれだから、レイヤーさんっぽく見えるだろうな。
取り敢えずその顔は本気で逆ナンされるよ。
「取り敢えずこっち…ひゃ、」
誰かに肩がぶつかった。凄い痛かったし。
あっしは急いで謝ろうとしたけどもうぶつかった会社員は過ぎ去っていて、その後ろ姿を見てると腕を引かれる。
スクアーロが眉間を狭くしていた。
「人多いなぁ」
「う、うん。逸れちゃだめだよ」
「それはお前だろぉ。人の間に埋もれちまうんじゃねぇか?」
「うっ…」
「掴んでろよぉ」
あっしの手を引き自身に近付けるけど、どこを掴めば良いんですか。「好きなとこ掴め」って言われても。
「……。さっさと行くぞぉ」
「そ、だね」
結局スクアーロがあっしの腕を掴んで人混む駅前から遠ざかる。
「じゃあ、こっち」
スクアーロを誘導してブティックまで行く。
腕は掴まれたままだった。
中に入ってスクアーロに似合う服を上下数着購入、ブティックからはご機嫌なあっしと疲れた顔のスクアーロが出て来た。
「疲れた顔してるよ」
「お前のはしゃぎっぷりに引いたんだよ…」
「だってスクアーロかっこいいんだもん」
「なっ…」
あ、照れてる。日が暮れた中でも顔が紅いのが解る程だ。
「さ、帰ってご飯食べよー」
「おう……、ん」
「ん?」
手を差し出されたからなにが欲しいのかと思ったが、
「逸れねぇように…」
そんな照れるならしなくていいのに。
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