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早く終わってくれ、疲れる。






 いやこの程度リボーンじゃよくあるじゃないか。そうだよ、たまたまだ。
 ジャンプを置いてスクアーロを見るとまだ研磨していた。磨き過ぎじゃね。
 ちょっと白けた目を向けながらベットに座り直して、

「あれ?」

 あっしの気抜けた声に何だと顔を上げるスクアーロに訊く。シャークいないよね?

「…あいつならそこら辺で寝てんじゃねーのかぁ?」

 そういうスクアーロの目はお風呂場に向いていて、あっしも返答に満足した為ふーんと返す。
 そしてふと目に入ったPCに、どうしてボスは帰ったのだろうと思った。そりゃあ然るべき所に戻るのは当然だけど、ならスクアーロも戻るべきじゃない。何でボスだけ?

「ゔお゙ぉい」
「ん、なに? 磨き過ぎて折れたかちっちゃくなっちゃった?」
「斬るぞ。じゃなくてだなぁ、その……XANXUSが戻ったのに何で俺だけ残ってんだ?」

 だから今その事について考えてるんだよスクアーロ。でもさ、現場に居た当事者が解らない事を他者に推理させるってなにも聞かされていない俳優をナイアガラの滝に突き飛ばすくらい結構きついよね。名探偵とかほんとすごい。

「遠回しに俺に推理しろって事だろそれ」
「ははは。なにか無かったの、変わったところとか」
「求めるな常識を二次元の住民に」
「そりゃないぜブラザー」

 茶化して見たけどお気に召さなかったようでスクアーロは顔を仏頂面にしただけ、剣を磨き終えて今度は洗濯物を取り囲みに行った。もうちょっと緊張感なるシビアなものを醸し出してくれないだろうか。君いつ戻るか解らないんだよ、なにどこかの主夫みたいな手慣れてる手つきでしまい込んでるのはたいてるの。いいけどさあ別に。
 ここ数ヶ月の毎日を繰り返しそうなスクアーロのマイペース振りに溜息を吐いてPCに近付く。ジャンプにリボーンがあるって事はサイトもあるかも。

「え、」

 デスクチェアの背凭れを掴んだ時、横のミニ本棚に目が留まる。リボーンが無くなってからは近付かなかった本棚にはいつの間にやらリボーン全巻とフィギュアがあって。
 ボスが帰ったからか…。
 何故だかあっしの心臓はヒートアップしていた。本当、これかそどうしてだろ。
 十二巻の側面表紙、色白のスクアーロがどこか驕ってる笑みで居た筈たのにさ。
 あっしは十二巻を手に取って最後辺りのページをめくる。もしそうならスクアーロはどうなるんだろう。
 ぱらりとめくるページが止まったところは、スクアーロが先制し飛ばしてる場面ではなく、マーモンがクロームちゃんを攻めているところだった。
 つまりこれは、スクアーロがリボーン界にはいない存在として扱われてるって事だ。
 試しに十一巻表紙と二十四巻表紙を見たって、スクアーロらしき物も自体もいない。
 洗濯物を投げ置いたスクアーロがクローゼットを荒々しく開けるのをあっしは、どこか放心気味に見つめた。










あきゅろす。
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