話が長くなった。
「どういう事何だいスクアーロ」
驚き過ぎて口調がマーモンになっちゃったけど仕方あるまいだようん。
家に入る玄関前であっしは様子の変なスクアーロがドアの鍵を解き開けるのを制止して訊いた。
「どうしてジャンプにリボーンが掲載されてて、ボスが出てるの?」
そんな事スクアーロに訊いたって無為だけどさ。
「態度がおかしかったのは解ってたから?」
「……なにをだぁ」
なにを、何て今更だよ。
「リボーンがこっちの世界から消えたのはスクアーロが来たからだよね。つまりリボーンが現れたらスクアーロが、」
消える。
何故かその動詞を言えないあっしは、どこか据わってる目のスクアーロに完璧情が移ってるんじゃないだろうか。というか移ってるよね。そもそも好きなキャラと過ごせる何て夢話、願う人は何人か居ると思う。馬鹿げた夢が叶えば情が出ない人はそういないと思うよ。
だから帰って欲しくないって思ったんだ。
「…ボスはいないの?」
「……多分なぁ」
まあいないからリボーンにボスが出てるんだけどね。
あっしはスクアーロの前に出るとドアノブに手をかけて、溜息を自然に吐いた。
ガチャリ、そんな金属音を聞きながら引く。
「ただいま」
見慣れた室内に偉そばる驕ったDV御曹司がいない。これが普通。一人で居るのが普通。
スクアーロが居る今が変なんだよね。
「それより何でスクアーロは居るのにボスは帰ったのかなあ」
「文句かそれ」
扉にロックをかけた後、あっしを見ずに奥へ進むスクアーロ。あっちも動揺してるのかな。急にボスが消えた事に。
一先ず鞄をベットに投げ、剣の手入れをする鮫を眺めた。
「………」
「………」
磨いたり先を尖らせる為削ったりとする音だけが空気を揺らす。見てて面白いからいいけれど、少しつまらないや。退屈を紛らわす為にちょっと考えよう。
まずボスが帰った、それだけで何でリボーンが三次元に現れたのか。まだスクアーロ存在してるのに。リボーンにスクアーロはいないって事? これは見ないと解らないか。
あっしは鞄横に置いてあるジャンプを開いてリボーンのページを読み出した。内容は前回の続きから、つまり数号の間リボーンはなかった事になってる。扉絵には「復活!」何て書かれてるから休載していたらしい。
「……」
最後のページまで全部のコマ全部の吹き出しを見た読んだ。ボスは居た。
居たけどスクアーロは居なかった。
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