プライドが在りますから。
遅刻を免れたのはスクアーロのお陰だろうと思いながらの帰宅。今日もいつも通りの学校日和だった。
ただトモダチとの会話内容に‘リボーン’が無くなっていたけれど。
「ただいま」
玄関でそう言っても奥からなにか返答がある訳ではなく、スクアーロがいるのかどうか不安になりながら奥に行く。
ベット横にはベランダの方を微動せずに向いてるスクアーロの後ろ姿があって、幾分ほっとする。
片胡座をかく彼に声をかけた。
「ゔおっ!?」
「わっ?!」
「お、驚いたじゃねぇか…」
「それはあっしの台詞なんだけど。あ、スクアーロのお陰で遅刻しなかったんだ。ありがとう」
「…あ、ああ…」
何だか変だ。目は泳いでるしほっぺは紅いし。てか鼻先も紅い気がする。
「鼻」
「はな?」
「スクアーロの鼻。紅いよ?」
「…これはぶつけたんだぁ」
「え」
「気絶したら元に戻れんのかと思ってなぁ」
ば、馬鹿がここにいる…!!!
「ゔぉ゙ぉい、なんか馬鹿って言われた気がすんだが」
「なにも言ってない。だから剣を納めようか」
気の早いスクアーロを鎮め、ちょっと彼の格好に恥ずかしくなる。
だって脱ぎかけ的な風に開けてるっていうか…。
「どうしたぁ? 顔が紅ぇぞぉ」
「スクアーロは鼻が赤いよ」
「…うるせぇ」
「買い物行こうか」
「はぁ?」
今思った。スクアーロの服がない。
「いやでも金ねぇ」
「そのくらい出せる。行こう」
渋るスクアーロの腕を掴んで引っ張、ちょ、動かないこの鮫!
「んぐぐ…スクアーロ、君十年経って太った?」
「はあぁ?!ざけんな!俺ぁ太ってねぇ!」
「知ってるし!いいから行く!ずーっとその服だけなのは汚いだろう?!」
‘汚い’との単語にぴたっと身体が固まるスクアーロ。そういうの気にする年齢かしら。
「それともあっしの服着るかい?」
「さぁ買いに行くぜぇ!!」
「何かこのおっさん(三十路)嫌だ」
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