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ツンテレだからね。2。









「大丈夫かぁちなち。生気を感じねぇぞぉ」


 誰のせいだよと反射的に出かけた返しだがボスのせいでありスクアーロはそこまで悪くなかった。クローゼットから出ようとしてたけど。


「ちなち」

「何だいシスコン」

「ちょ、聞きましたか長髪さん。酷くありません? こいついつも俺の事シスコンシスコン言うんですよ。どこがシスコンだって言うのか全く最近の子供は解りませんよね」

「同意出来る文もあるがシスコン否定は出来ねぇなぁ。だろちなち?」

「だよね」

「俺プンスカだぞ」

「きしょい」
「きもい。んで、なにしに来たんだぁ?」

「ちなちと別れて下さい」

「………」


 別れろっててめぇはどこまで妹馬鹿なんだって目でスクアーロはお兄ちゃんを見て、お兄ちゃんもまた睨んでる。

 そもそも付き合ってないんだけど。


「スクアーロ来て」


 これは議会に持ち込むべきだと思いスクアーロをお風呂場まで連れて来て、


「馬鹿兄貴は来んじゃねぇ」


 スクアーロが着いて来たお兄ちゃんをつまみ出した。一応お兄ちゃんの方が年下なんだけど、何か恋人がお兄ちゃんより上って難しい。いや設定なだけで事実ではないけどね?


「どうしようか。お兄ちゃんは完全にスクアーロかけるあっしって公式成り立ってるよ」

「何でそうなんだ」

「別にあっしかけるスクアーロでもい、」
「どっちでもいいだろ! そうじゃなくてどうしてぇんだぁ!」

「聞こえるから小声プリーズ! 馬鹿がそこに居るかもだろ!」


 お風呂場はただでさえ声が響くんだ、だからあっしはスクアーロの耳に口を寄せ、なに紅くなってるんだいこのへたれ。


「とにかく嘘吐いてやり過ごそう」

「ただ働きしろってかぁ」

「お願い」

「……、」


 至近距離でスクアーロと目を合わせるだけなのにへたれじゃない筈なのに恥ずかしくて顔が少し熱い。スクアーロも頬と耳が微かに暖かみを増して居て。背に当たる壁がひんやりしてて気持ちいいや。

 あれでもちょっと待ってよ。何でこう、顔が近いのは解るよ? あっしがそうさせてるんだしね? でもさでもさ、身長差で必然的にスクアーロが屈んで近付けてくれてるから何か、キスとか出来そう。

 スクアーロの唇柔らかいんだよね、そういえば。さっきは飴強奪すべくしちゃった訳だけど、それにスクアーロを懲らしめる的な意味でもあった、だけどさよく考えたらキスな訳でそれも深い方。スクアーロの舌に触っちゃったよ、ね。


「なに紅くなってんだぁ」


 思い出したら羞恥に襲われ出したんだよこのカスやろー! てか近い近い近いから。後数センチでキスしちゃいそうだよシリアスな雰囲気の中。


「た、頼まれてくれるかい?」

「条件呑んでくれんならな」

「じょーけん…」


 まさかこのまま羞恥プレイ始めようかとか? 嫌だよやだよ死んじゃうよあっし。

 肩に置かれたスクアーロの手が凄く熱い。何で手を置くんだよ、顔逸らすしかないじゃないか。

 横に向かせれば当然だけどスクアーロに耳とか首筋を見られる訳だが、ただの吐息で敏感なそこがぞくりとする。お兄ちゃんの彼女さんが見て勘違いしたのって鎖骨辺りに唇押し付けられてた時だったっけ。

 思い返してると耳が噛まれ…え、噛まれてるのかこれ。


「な にするんだよっ」

「耳紅ぇ」


 喉で笑う癖が好きだ。意地悪く笑むスクアーロを見て高鳴る心臓をうるさいと感じながらそう思った。


「今度一日俺に付き合え」

「突然なに」

「協力してやる条件だ。終日ずっと俺の傍に居ろ、いいなぁ」

「何ですかこいつ格好良くなったんだけどいきなり」

「ちなちに話合わせっから、ちなちも合わせろよ俺に」


 仕切だしたスクアーロに多少の苛立ちを感じいつまで人の耳たぶ触ってんだと、やり返しとして耳に息を吹き掛けてあげた。













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