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ツンテレだからね。









 見たくないものを見たぞこれは。


「何で閉めんだぁ?」


 落ち着けあっし。逃げたってだめだそもそも逃げられないだろう部屋間違ってないしスクアーロがほっぺ突いてくるけど、それどころじゃなくてどうしようなんだよね嗚呼トリップしてしまいたいというか一緒にスクアーロの世界に行きたい、当の本人は髪の毛引っ張ってるけどそれどころじゃなくてどうしよう。


「開けるぞぉ」

「!」


 開けちゃだめ、のあも言ってないのにスクアーロは中を見てしまったらしく固まって、一旦閉めてあっしと見つめ合うとつむじ目掛けてチョップを食らわした。


「痛ぇか? 俺の頬つねろ」

「痛いよ」

「…ほんとだな」


 どうしよう。あっしとスクアーロの意見は一致、そして取り敢えずボスに説明を願おうか。

 一緒に入りそーっと扉を閉めよ、


「ちなち!」

「うわああ来るな馬鹿兄貴ぃいいいいい!!」


 咄嗟にスクアーロの後ろに隠れたら走って突撃せんとする我がシスコン兄貴はスクアーロによって床に伏した。ありがとうスクアーロ。


「これ兄貴だったんだなぁ。俺はてっきりXANXUSが連れ込んだ可哀相な奴だと思ったぜぇ。後ちなちのストーカー」

「ストーカーはないでしょう。何故そこでストーカーなんだ。名前呼んだからか。でもあっし等結構似てない?」

「全く似てねぇだろ。こいつがいきなり入って来てどうするか考えてたが、兄貴だったんだな」

「血の繋がり否定されてねこれ」


 遺伝子云々はともかくさ、


「どうしよう」


 兄は気絶してる為スクアーロの事はごまかせるとしてもあれだ、ボスの事は無理だろう。どうしようか、逆トリップなんて有り得ないし他人と暮らすなんてもっと可笑しいじゃん。まさか兄が来るとは思わなかった。解ってたら彼女さんの時みたく一人考えないで二人に相談してたのに、あ、携帯持ってってなかったんだ。うわー馬鹿なのあっしじゃないかどうしよう。さっきからどうしようという単語を何度も用いってる事もどうするか。


「ボス、スクアーロ! お兄ちゃん欺ける為に演技して下さい!」

「却下」

「なんでスクアーロォオオオオオ??!! まさかのスクアーロだよまさかスクアーロがだめとか言うとは予想外だったよこんちきしょおおおおお!!」

「おいカス。別に同居してる事は言わなくたっていいだろ」

「ボスはお兄ちゃんになにか言ったの?」

「彼氏と同居してるてめぇの彼氏の上司と言っといた」
「カスボスゥゥゥゥゥゥ!!!」


 何ですか何でそんなに丁寧に言ってるんですか彼氏って誰だよいやスクアーロだと目で示されても恋人と紹介してるのは六沢と京野さんくらいだしさなにより上司とか貴男意外と世間の事知ってたんですね。つーか何で上司が部下の恋人の家居るんだよおかしいだろフレンドリーな中年上司ですか寧ろフレンドリー突き破ってうざい上司だよこのやろー。


「俺はもう一回京野んとこ行く。てめぇ等でどうにかしろ」

「待ってよボス!」

「放せ」
「ぐふぉ!」

「ゔお゙ぉい大丈夫かぁ?!」


 ボスが、ボスが肘打ちしてきた……今まで抱き着いても殴ったりしなかったじゃないか!


「スクアーロー!!」

「ちなちそいつから離れろ!」

「兄貴いつの間に復活したんだよ!てか包丁下ろせ振りかざすなぁ!」


 スクアーロが暗殺者の能力発揮で狂乱するお兄ちゃんを大人しくさせてる間にボスは出て行ってしまいえええどうすればいいのあっしピンチじゃんか。

 どのみちスクアーロの説明からだろうね。

 お兄ちゃんと対面に座りついでというか絶対説明に必要なスクアーロを隣に座らせて、まず何で来たのかを訊いた。


「最近ちなち構ってくれねーじゃん。メールとか電話とか」

「うぜぇ」

「ちなちキャラ黒ぇ」

「だからおかしーなって思ってさ、彼女に訊いたんだ」


 この前彼女さんが家に来たけどまさかその為に彼女さん向かわせたのか。


「そしたらさー、ちなちとロン毛が床に倒れてやりだしそうだったとか言われてさー」


 見られてたああああ!! それってあれだろ、ボスがスクアーロを踏んで窒息死させようとした時のだよね?! 見られてたのかよおおお!!














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