考えたらなにもない方が凄い。
「これ着ろ」
「今度はメイド服ですか。なにがあったボスの中で」
「それを受け取るお前もどうしたんだぁ」
「だってメイドとか着たかったんだもん」
「……」
「着替えてくるよ」
ちなちはとてとてと軽い足取りで楽しげに風呂場の方へ行き俺とXANXUSはちなちのメイド服を想像して、まあ似合うだろうなぁ。
「着たよー」
やって来たちなちを見て俺はそいつから目を逸らすXANXUSに向き直った。
「お前なんつーもん買ったんだぁ!」
ちなちの谷間が、ない谷間が見えてるじゃねぇか! しかもどんだけ短ぇんだスカート! この変態クソボスがああ!!
「似合わない?」
「!」
な、おま、俺を見下ろすな見えるから。
「に、似合ってる、ぞぉ」
「真っ赤だねスクアーロ」
「…っ、座れてめー」
「ボスー、乗っていい?」
「待て見える!」
「下脱ぐかちなち」
「ゔお゙ぉい待てぇクソボゔぉっ!!」
酒瓶投げられて直撃したから痛ぇがちなちの危機だろこれは。
「うわあああ、ちょっボス止めっ」
「マジで止めとけキャラぶっ壊れてっから!」
「見たくねぇのか」
「……」
「黙るなカス鮫コラ変態三十路共」
「似合ってるぞ」
「まさかボスがそんな事言うとは」
「部屋着これにしろ」
「いやいやいや」
「俺が持たねぇから止めてくれぇ」
「へぇ?」
突如ちなちの笑みに影が射し不甲斐ないが少し背筋が冷えた。
「何だよ…」
ちなちは口を半円にすると短くてギリギリのスカートをずずっとずらし、
「おまちょっと待てぇぇぇ!」
「あははははっ」
「次は谷間見せてやれ」
「こうかな?」
「こうしろ」
XANXUSが立ち上がりちなちを椅子に乗せると脚の間に手を着かせ片手を上げるように胸の下に、スカートを極限に上へずらす。待てゔお゙ぉいマジで谷間とか腿とかがやべぇぞぉ。
「……」
「……」
なにか言えXANXUS。何故てめーが黙る、てめーがやった事だろぉ。
「ねぇスクアーロ」
「な、んだぁ」
心臓がどくどくと鳴るのは単なる動悸であってこいつが可愛いからとか可愛いからとかえろ過ぎるからとかじゃねぇ断じて違ぇぞぉ。てかそうであってくれぇ。
手招きするちなちに胸とか極力見ねぇよう((自然と目が行くのは必然だ男の))近付き、
「大好き」
抱き着かれたらもう俺の理性がぐらつく訳で。
かなり露出されてる白い太腿と鎖骨部分に当たる胸に手を伸ばした。
「ドカスが」
「ぐあっ」
「ロリコンなんだなカス鮫は」
ドライヤーがぶつかった頭部を押さえながらあくどい笑みを見せるXANXUSを見て嗚呼つまりこれは、
「くはははは! 大成功だよねボスっ」
「嵌めやがったなてめー等ぁ!!」
「騙される君が悪い。くくくっ」
「顔紅ぇぞ」
「黙れこのクソガキ共ッッ」
「もう虚言にしか聞こえないよあっはっはっ」
「くそマジムカつくぞぉ!」
「ガキに煽られてんじゃねぇカスが」
「…やってねぇから仕方ねぇだろぉ」
「AV借りたらいいじゃないか。あ、今想像したら笑えたんだけどスクアーロがAV物色とか…あはははっ!!」
「黙れぇ!」
時々本気でしそうになるから困っちまう。
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