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主役がおっさんなのに人気とか凄いよね。3。









 彼女さんが戻って来れば平和な会話を続行すするんだけどクローゼットから注がれる視線が後頭部を直撃してるよ。お二方、静かなのはいいけどさ視線が痛いよ。


「あ…」


 リアル暗殺者のなにかの念が篭った視線を浴びて早く帰ってくれないかなと最低な事を考えてると彼女さんの携帯が鳴る。どうやらお兄ちゃんのようだ。


「ごめんね、電話してもいいかな?」

「どうぞどうぞ!」


 申し訳なさそうに立つ彼女さんをどこぞのコメディアンばりに玄関へ向かわせ、扉が閉まったのを見た後すぐあっしはクローゼットまで行く。


「ちょっとお二方。黙ってるのは良かったけど視線が素晴らしかったよ」

「んな事よりあの女は何時帰る」

「半日近くはかかると…」

「はぁ…。退けぇ、外行くから」

「え、いやだめだねそれは。彼女さん今玄関前で電話してるだろうし」

「知るかぁ!ぐだぐだと下らねぇ話聴いてたって面白かねぇんだよ!!」

「ちょ、」


 出てこようとするスペルビの胴を押して出てこないようにするも全力出したってスペルビを負かす事なんか出来ないのは必然であり、スペルビに押されてどんどん後ろへ下がってく。くそうって、


「うわっ!」
「ゔぉっ?!」


 どさっと背から床に激突して頭がごちんってなったんだけど!


「てか重い重い!こら70キロ代!」

「…っ、悪げふっ!!?」

「むぐっ!!」


 起き上がろうとしたスクアーロがさっきより重くなりあっしを下敷きにするもんだから苦しいのだけど問題は重さというより、鎖骨に当てられた柔らかいものなんだよね。


「ぼ、ボス!なにしてるの!」


 一向にスクアーロが起き上がらないのはボスがスクアーロを踏んでるからだった。しかも足が頭にあるという。そのせいで唇が!


「なにもしてねぇ」

「してるしてる!スクアーロを窒息死させようとしてる!」

「施しだ」

「んな無茶な施しがありますか!?」

「〜〜っ!!!」


 スクアーロが息確保の為じたばた動くから首になんか、ちょ、やっ…、


「ふはっ!えろい顔だな」

「うっ……ボス助け、ゃ、」


 原因作ってる人に助けを請うのも変だけどお助けをとボスを見た。珍しい事にボスは目を幾らか大きく開けていて、その表情が可愛いと思ってたらスクアーロが起き上がる。


「ぷは…っ!XANXUSてめぇ殺す気かぁ!!」

「……あ?」

「あ? じゃねぇ!」

「とっ取り敢えずさっさとクローゼットに戻ってくれないか!」


 長さ的に大の男二人を精一杯押して隠し、ふうと息を吐く。中からは何の音、いやなんか打撲音が聞こえるけど。

 熱く湿った首元に手を添えて心臓を落ち着かせてると彼女さんがあっしを呼んだ。


「あ、終わりましたか電話」

「うん…あの、帰った方がいい、みたい」


 え? それってつまりスクアーロ達がばれる心配無くなるって事ですかね。


「いやその…夕飯作ってなかったから早めに帰らないとって」

「ああ、そうですね、はい」


 や…やったよちなち君!不謹慎だけど喜ばしい事だねうんうん!

 ごめんねという彼女さんを下まで見送って彼女さんと別れ、漸く肩の力が抜けた。疲れたわ。最後の「気をつけて」という彼女さんの言葉に違う意味だろうがあの二人には気を付けなければと改めて痛感したよ。


「君達のおかげでいつもの何倍も疲れたね」

「具体的に何倍だ」

「細けぇな」


 七割以上なのは確か。












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