馬鹿の大安売りだよ。
「名前」
「は?」
「この間の授業参観時『ちなち』って呼んでくれたよね。」
「!あ、あれはだなぁ…っ」
「照れてる? かわムグッ」
「うるせぇぞぉ」
「三十路なら余裕を持て」
「何でガキに可愛いなんか言われなきゃならねぇんだ」
「母性本能くすぐる君が悪い!」
「十四歳に母性本能なんかあんのかよ。てかそれってどうなんだぁ。俺がガキって事か、ゔお゙ぉい」
「スクアーロってにゃんこと狐、どっち派なんだい?」
「無視か。てめーが好きなのにしろぉ」
「じゃあ両方にしようかな」
「なにやってんだぁ?」
「『ちなち』って呼ぶまで内緒。次はコスプレだ」
「…」
「欲しいなー」
「どれが」
「このウェイトレスのとメイドと学生服と巫女服。ナースも何気にいいね」
「てめーはコスプレプレイでもするつもりか」
「じゃあスクアーロお客さんと主様と教師と神主だね。ボスは店長と店長と校長と店長」
「殆ど店長じゃねーか。つーか神社に店長とか何だよ。どんだけでしゃばりな店長だ」
「ボスでしゃばり?」
「どうだろうなぁ…」
「ボス連れてくれば良かったな」
「……」
「? スクアーロ?」
歩き出そうとしてもスクアーロは手を握ったままその場に立っていた。
「…?」
「俺と一緒じゃつまらねぇか?」
「……? そんな事ない。楽しいよ」
「そうか」
よく解らないけど笑ってくれたからいいや。
「七百五十円です」
「なに買ってんだ?」
「狐とにゃんこの尻尾アンド耳セット」
「……」
「言っとくけどスクアーロも着けるんだよ」
「はぁ?!!」
「にゃんこと狐、どっちさ。あ、あっしが好きに決めていいのか」
「いや待て!三十路にんなもん付けてみろ!」
「かわい…格好いいね絶対!」
「ふざけんなぁ!イタイだろうがああああ!!!!」
「じゃあ勝負して負けたら」
「……解った」
「じゃあしりとりで」
「……………。リス」
「ノリいいな。スルメ」
「面食い」
「面食い?!ちょ、」
「早く次言えぇ」
「ぷくくっ…、イメージ」
「地雷」
「烏賊」
「壊滅」
「くっ…!」
「なにがおかしい?」
「イメージ壊滅…!!くくっ……、鶴…くっ」
「……ルビー」
「ビーズ」
「ズ?!ず…ず……」
「はい時間切れ」
「ゔお゙ぉい!狡!」
「遅かったね。にしし」
「どこの偽王子だぁ。いや本物らしいが」
「じゃあ狐の耳と尻尾付けてね」
「…くそぅ」
ボスに見られて噴かれたのは想定内。
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