甘の大安売りだよ。
すやすやと寝息が聞こえる室内。床には窓から差し込む光に照らされ、白銀に輝く長い髪の美男と幼さの残る寝顔で眠る少女。そしてベットには眉間に皺を寄せ悪夢でも見てるのかという表情のまま眠る、顔に傷がある男性。こちらも美男である。
まあ、取り敢えず少女であるあっしは起きたのさ。
「…………カス」
「……ぅ゙…」
ちょ、ボスが寝言で『カス』だって!ボス寝言言うとか凄く想定外なんだけども!
しっかしこの二人、ほんとに暗殺部隊のトップなんだろうか。この寝顔は安らか以外の何物でもないよ。いやボスは凄んでっけどさ。
にしても暇だな。今は一時か…眠くないなぁ。テレビでも見…この二人なら必ず起きるね。
外にでも行くかとゆっくり立ち上がる。上着上着。あ、スクアーロの髪踏んじゃったよ。長いなー。
上着を羽織って玄関を開けると涼しい風が髪を揺らす。気持ちいいな。
「……」
「…何処行くんだぁ」
ドアノブにかけてた手を握られてあっしの背にぴったりくっついてるのはスクアーロ。長い髪があっしの肩にかかる。
「眠れないから散歩」
「危ねぇだろ」
スクアーロの握る手が強くなった。
「だいじょぶだよ」
「俺も行く…」
「いやでも、」
隊服のコートを持ってきたスクアーロがあっしの手を引いて外に連れ出した。ボス置いて来ていいんだろうか。
「何処行くんだぁ」
「それさっきも聞いたよ。眠い?」
「いや…慣れてる」
この人絶対寝ぼけてると思う。だって手繋いでるし。
「…そこら辺歩こうか」
「ん」
夜中とあれば車が時々走り去るくらいで人は殆ど居ない。たまに過ぎ去る人も居るけど、やっぱり静かだ。
暫く歩いてるとまだやってる大型家電店を見付けた。
「スクアーロ、あそこ入らない?」
「あぁ? …ドン・キ○ーテ?」
「うん」
「買うのかぁ?」
「解らないけど、欲しいのあるかもだし。コスプレあるし!」
「なにに使うんだコスプレ」
「……自己満足?」
「……」
まあやる事もないしドソキに入った。中には聞いた通り人が結構居て、スクアーロが軽く驚く。
「そういえばここって十八禁コーナーあるんだよね」
「し、知るかぁ」
「AVあるし玩具もある」
「……何でそんな詳しいんだお前…」
「あ、」
あっしはスクアーロをじっと見つめた。無論スクアーロはたじろいで「何だぁ」と訊く。
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