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ある種の超直感。二。









 全く以て騒音でしかない毎日聞いてる声に汗がぶわりと湧き出て、「まさか」ってな顔でにやける六沢を退けて廊下を覗いた。


「……な、」


 案の定白銀の長髪濁音声鮫と黒髪朱眼俺様御曹司が廊下を偉そうというか何と言うか、そんな感じに歩いてる。無論あの二人が注目を浴びない訳がなく、生徒と生徒の家族関係無しに目を引かせていた。

 しかも何だその格好。何故正装してるんだ。何故そんなにも貴様等スーツが似合うんだぁぁぁぁ!


「居たぜぇ!」

「邪魔だカス鮫」

「ぐあっ!」

「来てやったぞ」

「有り難迷惑だよ。何故来たんですか。しかもスーツ着て」

「似合わねぇかぁ?」

「全く以て全世界一似合ってるよバカヤロー!格好いいよお前等!どっきどきだよこんちきしょー!」


 二人はにやりと口角を上げて満足そうに興奮するあっしを見下ろす。スクアーロは頭に、ボスは頬に手を添え撫でてくれたんだが、目立つ事ナイアガラの如し。


「見てっから頑張れよぉ」

「間違えたら鼻から蕎麦食わせるからな、カスに」

「ゔお゙ぉぉい!」

「ごめん」

「なっ…!抱き着いてんじゃねぇ…っ」

「かっこ良すぎ…心臓壊れるよ…」

「……っ、」

「カスが。俺に抱き着け」

「愛してるボス!」

「おーいちなちーお前等すっげー目立ってんだけど」

「やっぱり出たなぁ」

「何だよ長髪彼氏」

「おいガキ。てめーはちなちの何だ」

「ちなちに好意あるガキだぁ」

「ちょ!俺そんな解り易い?!」

「どうでもいいけどキャラ多くて文字数大変なんだよ馬鹿野郎」

「で、今抱き着いてる威厳たっぷりの人は誰? 彼氏その二?」

「だとしたら公認されてる二股だよね。違うよ」

「彼氏でもカスでも何でもいいが、次は何だ?」

「英語だよ朱眼彼氏」

「どのみち彼氏なんだな。つかてめー敬語くれぇ使えよぉ」

「あんたに言われたくないな」

「取り敢えず教室入ろうか」


 あっしはスクアーロとボスの手を掴んで教室に入り、「何処がちなちの席だ」とボスが訊くので机を示す。そしてチャイムが鳴り皆席に着き始めた。


「間違えんなよ」

「俺の鼻の為に頼んだぜぇ」


 肩と頭をぽんと叩いて教室の後ろに行く二人。嗚呼、なんか二人を見てくる人達に妬いちゃうんだけど。


「なに見てんだぁ、かっ捌くぞぉ」

「かっ消す」


 ……あっしが見ても怒らないのは何でだろう。口元がにやけてしまいながら授業を始めた。













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