ある種の超直感。
朝教室で配られるプリントは下らないものばかりで対して重要じゃない。ただ保護者用とかは取っとくけど。
数枚のプリントの一つには『授業参観』という文字があり、ああ懐かしいなと思う。
学校から帰ってボスとスクアーロの漫才見て夕食作ってると「何だこれ」とボスの声。振り向くと白い紙を持つボス。
「え、何故鞄の中に仕舞ってた筈のプリントがユーの手に?」
「何か鞄漁ってたぞぉ」
「ちょっとボスぅぅぅぅぅ!」
「授業参観。明日か」
「返して!」
ソファに座るボスが立ち上がり手を上にやるもんだから全く届かない。うわぁん!スクアーロにもこんな事された気がするー!!
「お前兄貴に来て貰わねぇのか」
「お兄ちゃんは忙しいからねってい!」
「つまり誰もいない訳だな。淋しいカスだ」
「ふんっ!」
「ゔぉいお二方。すっげー間抜けな絵面だぜぇ」
「それよりもう取り返したところで遅いという事に気付け」
「むむ…酷いね」
手が下ろされてプリントを返して貰えるかと思ったけどボスは両手でプリントの端を掴みビリッと破いてくれた。
「破る必要あるの…っ?」
「必要ねぇだろ」
「そうだけど」
「どうでもいいからさっさと飯作れ」
「酷いよーうわぁぁぁ」
「だからって俺に抱き着くなぁ」
「嬉しいくせに。ボスが淋しがってるって言ってたぞ!」
「俺はてめーみてぇに女々しくねぇ」
「ふん。手伝ってよスクアーロー」
「解ったから髪引っ張んな」
この時あっしはスクアーロに抱き着くのに精一杯で、ボスの貴重で不敵な笑みに気付かなかった((スクアーロは気付いてたらしいけど))。
「授業参観とかうぜー」
「はは。お姉さんが来るんだろう? 六沢のお姉さん綺麗だよね」
「お前は綺麗じゃねーな」
「泣くよ」
教室の後ろに次々と集まるクラスメートの親御さんやご家族を見眺めるあっしと六沢。直にお姉さんもやって来て挨拶した。やっぱ綺麗。
「お前のとこは来ないのかよ? あの長髪彼氏は?」
「これは家族が来るものであり恋仲の人が来るものではありませぬぞ」
「同棲してんだから家族同然じゃね」
「してない!」
いやしてるようなものだけども。
「それより何か廊下がすっげーーー騒がしくないか?」
「確かに」
「誰が来てんだ? 芸能人?」
「知ら、」
「ゔお゙ぉぉぉい!どこに居んだぁ?!」
「なっ…?!!!」
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