勿論お酒も。
「ただいまー」
「ちなちか」
「あれ、スクアーロは? あ、京野さんのところか」
「……」
「突っ込んでいいですか? 何故ソファが?」
ボスは黙ってパソコンの置いてあるデスクを示し、嗚呼成る程アマ○ンですか。
「服もそこら辺に散らばってますね。でも女物のは何だい?」
「やる」
「ボス大好き!」
ソファに踏ん反り返るように座るボスに抱き着いた。
「訊いていいか?」
「え、はい?」
「お前の家族は」
「………ああ、兄が一人。でも別々に暮らしてるのさ。だからここにスクアーロとかが居ても全く問題ないんだ」
「…そうか」
「親は死んじゃってね」
ボスの膝に乗ると意外な事に背を支えてくれた。甘甘だこの人。
「お前は変な奴だな」
「そうなのかな? でもボスを格好いいって思う人沢山いるよ」
「そうじゃねぇ。マフィアに恐れない事がだ」
「スクアーロから聞いたのかい?」
「ああ」
「だってボンゴレは悪くないから」
「俺達は暗殺者だ」
「でも正当化しようとすれば出来るよ。ボンゴレは罪のある人しか殺さないマフィアだから」
「殺す事自体が罪だろ」
「そ、そうだけど」ボスのシャツを掴む。「それはマフィアだから、仕方ない…うぅ…難しいよ…」
「ぶはっ」
ボスが笑ってくれた。うわぉ、間近でボスの笑顔見ちゃったよ。レヴィに殺されそう。
「てめーはおもしれぇな」
「そんな事ないさ」
「馬鹿なとこが気に入った」
「気に入るようなとこじゃないよね?」
「ゔぉい帰っゔお゙ぉぉぉい!!?」
「お帰りスクアーロ」
「これは夢だオレ!正気になるんだぁ!」
「何故かある灰皿投げるぞ」
「すでに投げてますボス」
「どうしたら膝の上に乗っけても良しとされんだ? ヴァリアー七不思議が八不思議となったぞぉ」
「そんなもんねーよ」
「ボスって格好いい上に優しいんだぜ!」
「優しい奴が灰皿投げんのかぁ?!」
「施しだ」
「んな施し要らねぇ」
スクアーロはあっしを抱え上げると床に下ろした。別にボスの膝に座っててもいいのにな。
「その内『コオォ…』の餌食になるぞぉ」
「…………うーん」
「何だその間と唸りは。やって欲しいのか」
「どっちみちスクアーロもボスもあっしを殺さなそうだよね。スクアーロは殴るくらいだし、ボスには直接暴力された事ないもん」
「……」
「ちょ、何で剣装着するの?!」
「おろして欲しいみてぇだからなぁ」
「いやいやいや!助けてボス!」
「カス」
「意味解らないよ!!」
何気に甘い。
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