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細かい事は気にしない。









 ボスが来て初めて金曜の夜を迎える。只今ボスはお風呂中、あっしはスクアーロの髪にドライヤーを当てて乾かし、スクアーロは猫みたいに目を細めてる。可愛い。


「げふっ!肘がお腹に入った…」

「自業自得だぁ」

「いやいや何処がですか」


 ボスが上がったらあっしも入ろう。


「そういえば、ボスって意外と大人しいよね」

「あ゙ぁ? そうかぁ?」

「うん。何かもっとお腹減った熊みたいに暴れ回るかと」

「ぷっ!嵌まり過ぎだろぉ、それは」

「まあ三十路超えていつまでも凶暴だとアレだよね…でもボス、十年経ったら落ち着いた」

「成長したんだろ」

「ベルも大人になった」

「まだ生意気なとこあるけどなぁ」

「一番生意気なのフランだよね。ルッスーリアとレヴィは相変わらずだけど。ふふっ」

「あいつ等は十年前にはキャラが出来てたぞ」

「スクアーロ老けたよ」

「捌かれてぇんだな?」

「おいちなち。酒ねぇのか」

「あっしは買えないんだ」

「チッ…カス。買って来い」

「あ゙ぁ? ざけんなぁ」

「じゃあ一緒に行こうよ」

「………チッ」

「これで買っとけ」

「うわ!ブラックカード!よし行こうスクアーロ」

「ちょっと待て。それ使えんのかぁ?」

「え? あ…次元が違うから請求書が何処に行くか解らないや」

「試してみればいいだろ」

「ボスが戻ったらこれの存在は二次元。今は三次元だから使えない、よね?」

「いいから来いカス共」

「ボス待ってー!」

「てか何であいつも行くんだ?」


 隊服のコートを着るボスの後ろに着いてくと突然振り返られた。


「どこに酒屋がある」

「……あ、こっち」

「ゔお゙ぉい。寒くねぇのかてめーは」

「二人はコート着てるし…狡い。いいけど。その代わり抱き着かせてよ」

「……」

「え、ボス?」

「施しだ。有り難く思え」

「あっし一生貴男に着いて来ます!」

「…」


 ボスのコートはぶっかぶかで臑まで隠れる程だったけど暖かい。嬉しー優しいよボス。はしゃぐあっしを「うるせぇ」と叩くスクアーロ。

 駅付近は二十二時過ぎてるのに人がまだいっぱい居てボスとスクアーロとあっしは三人並びながら酒屋まで行く。隣に180センチ越えた人が二人居るから何か小さくなった気分だ。二人が格好いいから人目集めるしね!


「到着。すみませーんこのカード使えますかー?」

「えーと、はい。使えますね」

「マジかよ」

「やったボス!」

「お前はすぐ人に引っ付くなぁ…一応そいつボスだぞ」

「何だ、羨ましいのか。カスだな」

「スクアーロモテるじゃないか。ボスも勿論だが」

「……どうでもいいからさっさと酒買えぇ」






 家に帰って「施しだ!」と二つの意味で酒浸りになったあっしとスクアーロでした。













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