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いいえ、マフィアです。









 スクアーロは頭を掻いて「お前誰だぁ?」と訊いてきた。だからあっしは素直に返す。


「貧乃ちなち。○○中学二年、十四歳」

「そぉか…ここはどこだぁ?」

「あっしの家です。貴男が道端で倒れてて、あのままじゃ危険だし放っとけなくて。襲うつもりないから安心してくれぇ」

「なんかムカつくぞぉ」


 そう言いながらスクアーロはキョロキョロと部屋を見渡していて、くぁ、可愛い!

 どうしようあっし。この人二次元の人だよね? 逆トリってやつだよねこれ? そっくりさんじゃないよね?


「俺はスペルビ・スクアーロだぁ」

「あ、はい」

「三十二歳、…社会人」


 今ちょっと間開けたよ。社会人って言うの躊躇ったよこの鮫。

 マフィンだもんね…。


「……あのよぉ、何で俺を拾った?」

「ちょっと気になって……警戒してます?」

「いや…」スクアーロは左手の剣に目を動かした。「…危害なさそうな雰囲気出してっからなぁ、お前」


 それって殺気? 解るとしたら貴男凄腕のマフィアじゃん。裏社会人って威張るべきだよスクアーロ。

 てか待てよあっし。この人ほんとにスクアーロなんだ。二次元の人が三次元にいるって事は、これは夢か逆トリになる。


「スクアーロさん。あっしを殴るか蹴るかつ痛たたた


 言い終える前に頬が抓られた!両頬引っ張られて本気で不細工になる!


「これでいいかぁ?」

「痛い……。ありがとうございますカス鮫」

「あ゙ぁ?!どこでその呼び方覚えやがった!!?」


 しまった。この人は逆トリしてるって事言ってないから理解してないんだっ。

 声を荒げて剣を構えるスクアーロに身を丸くしながら叫ぶ。


「すすすすみません!今すぐお話しますからっっっ!!」


 完全にパニクりながら話したからめちゃくちゃな説明になってるだろうけど、取り敢えずスクアーロが二次元っていう漫画の中に生きるキャラクターで、ここには並盛もボンゴレリングもない事を言う。


「……信じられる訳ねぇだろぉ…」


 まあそれはそうだけど。

 そう言われるだろうと考えてたからあっしは証拠となるリボーンの漫画を取り出そうとパソコンの置いてあるデスク横に手を延ばす。


「あれ…っ?!」












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