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苦く甘いコーヒーなんネスカフェ。









 京野さんにコーヒーとフォンダショコラを頼んでスクアーロと話す。


「京野さんはお兄ちゃんのトモダチなんだ」

「お前兄貴いたのか」

「よく驚かれるのは何故だろう。一人っ子っぽいってか。ぅぅぅ」

「ちょ、俺はそうじゃねぇ。あ、でも何気に一人っ子っぽ、嘘だ冗談だぁ」

「どうせ兄貴が居るなら一緒に住めよって話だろう? お兄ちゃんは成人してて彼女さんいるんだよ。あの家は死んだ母さんと住んでた家さ」

「……何か重てぇ話をざっくりさっぱり話されてんだが。まるで難易度の高ぇ手術を三分で終わらす的なショックなんだけどよ」

「君の比喩は上手いんだか下手なんだか。ちなみに母さんは病死、父さんは殺された」


 「殺された」と言う単語に驚き目を見開くスクアーロ。変なの。君は殺すのなんか日常的な事でしょう。


「別にスクアーロの仕事嫌ってないからね? 嫌いならそんな漫画読まないよ」

「…まぁ、そうだが…殺されたって、」
「借金あったの」

「……成る程」


 スクアーロが口元に手を添えて前を見据えた。多分京野さんを眺めてるんだ。あっしもそれに倣って見る事にする。


「お待たせしました。スクアーロさんがコーヒーですよね?」

「ああ」

「久し振りだな、ここのケーキ♪スクアーロも食べる? てか食え」

「命令すんなら訊くなぁ……ん」

「美味しいでしょう? えへん」

「美味いがお前が威張るもんじゃねぇよ」

「クス…そんなところ僕に見られていいのかな?」

「……お兄ちゃんには内緒の方向で」

「ふふっ…解ってるよ? だから用件言ってくれないかな」

「はは。図々しいですが、ここでスクアーロを働かせて貰えませんか?」
「いいよ」

「即答!」

「流石京野さん」

「彼いいウエイターになりそうだよね。スタイルいいし。うん、繁盛しそう」

「学歴とか書類要らねぇのかぁ?」

「ちなちちゃんの彼氏ですしね」

「……」

「ふふふ、照れ屋さんな彼氏だねちなちちゃん」

「照れ屋が過ぎてツンデレなんで愛の言葉をくれません。うう、っ痛ぁ!」


 スクアーロに脚蹴られた。畜生。


「あはは!打ち解けてるねぇ。ちなちちゃんがご家族の事話したりしたし、本当に凄いよスクアーロさん」

「聞いてたんですか。京野さんのえっち!」

「いやいやいや、お前意味違ぇからな。擦れてっからなぁ」

「ふふふ。ではスクアーロさん。お暇な時いらして下さい。申し訳ないのですが制服は僕の替えで宜しいでしょうか?」

「構わないぜぇ」

「多分平日の午前中から夕方まで居ると思いますよ。あっしの為、痛ぁい!!スクアーロの馬鹿!」

「てめーがなぁ!」

「くふふっ!」


 君を知れた。










あきゅろす。
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