そう見えるんネスカフェ。
「帰ろうぜちなち」
「やあ六沢。悪いけどあっしは約束があるからね」
「あの長髪彼氏?」
「クハハハ」
「おい待てよー途中まで帰ろうよー」
「きもい」
玄関で靴に履き替えて六沢に追いかけられながら門まで行くと人だかりが。やっぱりなあ。
もやもやしながら門の前で女子生徒に囲まれ困ったような不機嫌なような顔のそいつを見眺める。
「あ、ちなちの彼氏」
「……」
「はあ。まだかy…ゔぉ?!」
「やあ三十路のおっさん。君モテるねー」
「あ゙ぁ? てめーなぁ、俺が困って、」
「三十路!!?マジで?!」
「……水族館とマックのガキか。仲いいなぁてめー等」
「三十路とか見えねー!!二十後半かと」
「あっしにも二十後半に見えるよ。じゃあね六沢。あ、君はその取り巻く女子と仲良くしたら?」
「ヤキモチかぁ?」
「にやけるなおっさん」
「かっ捌く。携帯に貼ったプリクラ剥がすぞ、オラぁ」
「いやぁやめてぇうちの宝物!!」
「なにあいつ等。バカップルなの? ねぇ歳の差バカップルなの?」
スクアーロに学校前で待ってて貰ったのはこれからある所に行くからだ。何か最近スクアーロが「逆援交って儲かるのかぁ?」とか訊いて来るから知人が経営する喫茶店に社員として働いて貰おうと。こいつ絶てぇ逆援交どころか援交の意味理解してないよ。いや確かにスクアーロなら買っても嫌な思いしないだろうけどさ!
「ゔお゙ぉい、ここじゃねぇのかよぉ」
「そうでした。スクアーロの事考えてたら過ぎ去ってしまったよ」
「……」
「嘘ですボスの事でし、いてて」
だって紅くなったから冗談って事にしてやろうという配慮なのに!こいつほっぺ抓ったよ!
ちょっとむかつきながら店内に入ると若いマスターが「いらっしゃいませ」とにこやかに言う。中は結構お客さんが居てカウンター席の真ん中しか空いてなかった。
「繁盛してますね」
「ふふ‥常連様が多いんだ。そちらの方は?」
「スペルビ・スクアーロです…その、」
「初めまして彼氏さん。僕はちなちちゃんの知り合いの京野です。どうぞ、御席へ」
「あ゙、あ゙ぁ…」
スクアーロがたじろぎながらカウンター席に座り、あっしは何で彼氏なんだと心中で突っ込みながらスクアーロの隣に座った。
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