やっぱり大人だけど子供です。
水撒きでもしてたのか足場はつるつる、無論取っ組み合えば滑るのは目に見えていた。それでもスクアーロをおっさんとか侮辱する奴は許せなかったの。
頭ごちんってなったら痛いかなとか思ってたら地面が遠ざかってぎゅってお腹絞められて。
「危ねぇだろ馬鹿!」
そして肋折れるんじゃないかってくらい抱きしめられた。苦しい。
「俺は無視?」
「だってスクアーロはかっこいいんだもん。おっさんじゃないもん」
「あぁ。でも頭ぶつけそうだったじゃねぇか」
「あの、ちょっと無視すんなよ」
「スクアーロの為なら記憶の一つや二つ!」
「ざけんなぁ!!!記憶で済まされるかどうか解んねぇだろぉが!」
「すみませーん。甘い演技するなら俺の身体起こすの手伝ってくださーい」
「…でも無事だった」
「俺だから無事だったんだぁ」
「大好きだよスクアーロ!」
「はっ、ガキだなてめーは」
「もう俺餌になりたい」
「ただのクラスメートにしちゃあ仲いいじゃねぇか」
腰を抜かしたらしいクラスメートを立たせてスクアーロに謝らせた後、バス亭でバスが来るまで喋った。バスに乗り込みクラスメートと別れて数分、ずっと黙ってたスクアーロが窓の外見ながらぽつり。
「ヤキモチ? ヤキモチですかこのやろー」
「うぜぇ。三枚におろす」
「ごめんごめん。まあ六沢(ろくざわ)とはよく話すんだ」
「興味ねぇよ」
無表情のスクアーロを変だと、見下ろした。ちなみにスクアーロが座るは一人席で、普通あっしが座るようなものだろうけど痴漢((または痴女))に遇ったら冗談じゃない。だから座らせてる。まあ人は殆どいないんだけど。
でもなんか狭そう。いいね脚長くて。
「…座るかぁ?」
「平気さ。スクアーロ見てたいからね」
「……、」
あれま、怒らせたのか唇尖らせてそっぽむいちゃった。いや可愛いけど嫌だ。
「ごめん」
「謝る必要ねぇだろ」
「……怒ってないのかい?」
「……」
「………。怒ってる理由解んないや」
「…………」
今なんか「きゅるる」って音が微かに聞こえた気がするんだけど。なんかすっごい可愛い音だったよ。しかもスクアーロの耳が真っ赤っ赤。
「……、マグロのカルパッチョ食べる?」
「マジかぁ?」
「まじ。作り方教えて」
「俺一人でやる方が簡単じゃねぇか」
苦笑して笑うスクアーロが窓から射す光に照らされてすごく綺麗だった。
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