やっぱりお兄さんにしか見えないです。
「何時まで鮫見てるんだい?」
「ん゙ー」
「他見に行かないの?」
「………」
どんだけ鮫が好きなんだ。かれこれ四十分は過ぎてるぞこんちきしょう。いや確かに帰ったって暇だけど今自体が暇なのさ。
いいけど。だってスクアーロの事眺めてるの嫌じゃないし。目の保養ってやつかな。
「………」
「………」
「………ぅ゙ぉ゙、」
「………」
「………」
抱き着いていいか。いいよね、えい。
「なっ…!」
「見てていーよ」
「見れるかぁ!何だ、なにがしたい!?」
「抱き着いてたい」言うとスクアーロの体温が上昇し、青を視覚的に捉えてるから涼しいんじゃないかと思ってたけど、何だかあっしはスクアーロ同様凄く熱いや。ほっかいろみたいなスクアーロに抱き着いてるから?
「……帰るぞ」
「む? 見てていいのにね」
「てめーが抱き着いてたら変な目で見られんだ」
引きはがしてスクアーロは早足で奥の方へ行って、あっしは急いで付いてく。
「どこ行くのさ」
「出口に決まってんだろぉ」
「出口は逆だよ」
「………、さっさと言え」
恥ずかしそうに眉を潜めて方向転換、あっしの腕掴んで引きずるように出口へ向かうスクアーロ。恥ずかしい奴め。
でも可愛いよこいつ。
「投げるぞ」
「えー何でぇー」
「可愛いとか言うなガキ」
照れてるんだとからかえば「年上からかうんじゃねぇよ」と頭を乱暴に撫でられて、折角整えてた髪がぼさぼさに。
お返しでスクアーロの首にぶら下がる。うざったがるスクアーロだけど背中に腕回してくれて、そのまま移動。うわ、間抜けな絵。
「なんか猿みてーだなぁ」
「顔赤くないからね」
「だがしり、」
「あ、出口だー」
ぶら下がるのを止めて出口に走ってく。こいつやっぱ変態だ。
スクアーロが困ったようにあっしを見ながら近付いて来てその腕を両手で掴んで、そして誰かに呼ばれた。
「スクアーロ、呼んだかい?」
「俺じゃねぇ」
「よ、ちなち」
「あらまー坊」
「いや俺んな名前じゃねぇから。もしかしてと思えばやっぱちなちか」
「…このガキ誰だぁ?」
「…誰このおっさん」
「あ゙ぁてめ、」
「死に曝せカス!」
スクアーロをおっさんとか言った罪は重いんだから!なんかスクアーロが珍しく驚いた顔してるけどあっしは今こいつを餌にするのに忙しい。
「な、何だよー!」
「おらピラニアの餌になれこのガキ!」
「ピラニアいねぇしちなちも同い年じゃん!うわあ、ちょ、滑るっ」
「はっ!カスが!そのまま頭、ぉわっ」
「!」
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