やっぱり大人です。
「水族館へ行こう」
ベットに寝転がるスクアーロのシャツを掴んでその耳元で言ってやると聞こえてないのか「ゔぉ…い」とのよく聞く寝言が。
試しに息吹き掛けとかじったり舐めてみる。
「ぁ゙‥っ、」
感じた!色っぽ!感じたよこの人!てかえろ!ぴくんて肩揺れたよ可愛いよ綺麗だよかっけぇこの三十路!
「……ゔぉ?」
「起き、」
「ゔお゙ぉぉぉい?!!!!」
耳元でそんな大音量出されたら鼓膜がきーんと振動しまくり、このまま壊れんじゃない?
覚醒したスクアーロはあっしを押し退けて赤面しながら騒音を出している。可愛いなこの人。
「ま、気にせずに水族館行こうよ」
「はあ?!意味解んねぇぞてめー!!」
「鮫さん居まちゅよー」
「馬鹿にしてんのか」
「ううん。チェリー扱いはしてる」
「俺は童貞じゃねぇ!」
「いやあの、そんな事大声でしかも朝から言わないで欲しい。そして泣いていいかな」
軽くショックだったよ。いやこの容姿で童貞だったら引くし三十路越えて童貞とかねーわと思うけど、なんかこう…。
「……何で着替えてるのさ?」
「あ゙? 行くんだろ水族館」
行く気にはなったんだ。
「初めて来たぜ」
「きれー」
「あ゙ぁ、確かになぁ」
「スクアーロが」
「てめーは気障男(きざお)か」
でもだってスクアーロの白銀の髪が青い光に当たって青く輝いてるんだもん。スクアーロが真面目に水槽とは言い難い大きなガラスの向こうで泳ぐ鮫達を見てるからその横顔も綺麗。
本当、凄くどきどきするんだ。てか皆スクアーロ注目してるからね。子供が長い白銀の髪と君の体勢を奇異の目で見てるよ。そんな子供みたいに手を着いて魅入る三十路は君くらいだよねぇ恥ずかしいんだけど。
「かっけぇな」
あっしは君を見た人全員が君を格好いいと思ったと断言出来るさ。
「お、なぁ見ろよあれ」
「んー?」
スクアーロの示す先には鮫が二匹寄り添い泳いでる。
「なにしてるのかな」
「交尾迫ってんじゃねぇか?」
「お前鮫に喰われて来い」
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