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日和!





「あ」

 ご飯を食べた後ディーノ先輩もそのまま加わり残りの休み時間をどう過ごすか考えながら廊下を歩いてると、何メートルも離れた所にがたいのいい長身さんの後ろ姿を認識した。途端にゅの心拍数は大きく脈動した為にドクドクと上がる。

「ん? 生理でも来たかぁ?」
「何でそうなるんだよこのド変態ヤロー」
「そもそも解んのかよ、来たって」

 通常通りにゅは変態発言のスクアーロ先輩に突っ込みを入れるが気持ちはあちらに傾いている。
 嗚呼、手が汗ばんで来ました。

「響?」

 スクアーロ性器 いや先輩(でもスクアーロ先輩の場合歩く性器でも間違いでないと思います)がにゅの肩を掴もうとしているのを目の端に入れてはいましたが掴まれる前に駆け出した。数メートルの距離はどんどん縮まっていき、後数歩のところでにゅは呼んだ。

「XANXUS兄様っ」

 少しだけ張った呼び掛けに歩を止め振り向いて下さる方は正しくにゅが敬愛せし煌々なる神秘の栄位に在するXANXUS様であり、透き色の朱眼がにゅを見下ろす。

「何だ」
「あの、学校に来られるのは珍しいですよねっ」
「やる事がなかっただけだ」
「にゅXANXUS兄様にお逢い出来て至極幸運です!」

 XANXUS兄様は鼻を鳴らすと興味が無くなったように表情を無くし、だけど肩に手を回してくれ、うわお‥にゅ天に召されそうです。
 ほわほわしながらXANXUS兄様の隣を歩いてれば放って置いた変態が走り出した。

「ゔお゙ぉぉおい! 肩だけじゃなく全身で抱いてやっからXANXUSから離れろぉ響!!」
「昼からでけぇ声でえろい事言ってんじゃねぇよ、カスが」

 スクアーロ先輩は吊り目を四割増くらい吊り上げてにゅの肩を掴んだ。XANXUS兄様の代わりに抱きしめられたって金箔エステと百均のファンデ並の差である訳で、つまりは肌に悪いから触るな変態。

「てめぇも面倒なのに目を付けられたな」

 その言葉ににゅは全身全霊をかけてでも頷けます。入学して一週間なんですよまだ。たった七日で一生分のセクハラ受けましたよにゅ。もうにゅを貰ってくれる人はいないと思う。どうしてくれんですか胸揉んでるド変態と遠くでにゅ達を見てる変態ディーノ先輩。

「俺が貰ってやっから安心しろぉ」
「安眠する方が幸せになれると思います。つか絶対スクアーロ先輩なんかと付き合いたくないですにゅ」
「何でだぁ? 俺幸せにする自信あるぞぉ」

 じゃあまずこの揉んでくれてる手を離してくれません?

「スキンシップだスキンシップ」
「純然なる性的嫌がらせです」

 助けを求めようとXANXUS兄様を見上げるがそこにはガラス越しの空しかなかった。
 …いつの間にか消えていたらしい。

「あー、響の胸柔らけぇ。盛って来たんだがどうすりゃいい?」
「……知りませんよ」






初めて鮫に殺意が芽生えました




あきゅろす。
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