捧げ駄文 当たり前な幸せ(気まぐれリクエスト僚様※チィ猿R18) 「…………は?」 猪里から聞かされた話に、チィーは思わず気の抜けた声を出してしまう。 「ご、ごめっ……猪里さん。もう一回言って?」 「だからよ……主任、ほとんどの記憶無くしちまったんだよ」 「………」 聞き直しても、その意味が分からなかった……。 記憶を無くした……? あの人が……? 「ど、どういう事ですかっ?猿門さんが記憶を無くしたって!」 「そうですよっ!一体何がっ…!!」 チィー同様に、猪里の言葉に動揺してしまっているリャンとウパは、猪里に詰め寄る。 「主任、また無謀にもハジメに挑んでよ。んで、いつも通り返り討ちにあっちまって。その時な、ちょっと打ち所が悪くて……」 気を失い、直ぐ様医務室へと運ばれた猿門。 検査の結果、命に別状はないと分かり、一安心していたが、いざ猿門が目を覚ますと…… 「自分の名前以外、全然覚えてなかったんだよ……じーさん先生が言うには、脳への衝撃による一時的な記憶喪失らしくてな」 「一時的っ?という事は、直ぐに戻るんですかっ?」 猪里の言葉にリャンは期待を込めて尋ねる。 だが、猪里からの答えは、 「……その可能性もあるが、逆の可能性もあるってよ」 「ぎ、逆……?」 「……ずっと記憶が無くなったままってこった」 「そ、そんなっ……」 猪里の言葉に言葉を失うリャンとウパ。そして、チィー。 「………」 名前以外の記憶が無くなった…… つまり、俺の事も…… そして、俺との関係も…… もしかしたら、この先ずっと思い出す事が無い……? そんな事になったら、俺はっ…… チィーの胸を締め付ける痛み。 その痛みに顔が歪む。 「……猪里さん」 痛む胸を押さえながら、チィーは声を絞り出す。 「今、主任さんは?」 「ああ。今は庭でちょっと休ませてる」 「庭……?」 「じーさん先生が言うには、好きなもんに触れさせるのが記憶を取り戻す最良の方法だとよ」 「……そっか。主任さん、ガーデニングが趣味だもんね」 ガーデニング…… そう言えば昨日言ってたな。 俺が好きな花が届くって……。 それを自分の庭に植えるって……。 屈託の無い、俺の大好きな笑顔で、言ってた………。 そして、その庭では、 「…………」 庭の主、猿門が沈んだ表情で植えられた草木に触れていた。 そのグリーンアップルの瞳は不安でいっぱいで、いつもの5舎主任看守部長の瞳でない。 「主任っ」 「!」 「大丈夫ですか?」 「あっ、え〜っと……」 「六力です。5舎の倉庫を任されています」 「あっ、六、力なっ。六力……悪ぃな」 「いいえ大丈夫です!俺なんかより……主任は大丈夫ですか?」 「あ、あぁ。大丈夫だよ。全然大丈夫」 ニッコリと笑ってみせる猿門。 だが、六力から見ても猿門が無理をして笑っているのは明白で… 「……大丈夫ですよ。きっと戻ります」 猿門の不安を取り除こうと六力はニッコリと笑顔を向ける。 「……悪ぃな。本当」 「えっ、ど、どうして謝るんですかっ?」 「……俺、ここの主任なんだろ?なのに、こんな……記憶無くしちまってさ。部下のお前たちにスッゲェ心配させちまって……上司失格だよな」 自分の不甲斐なさにハハッと苦笑してしまう猿門。 そんな猿門を目の当たりにした六力は、 「そんな事無いですよ!主任は立派な5舎の主任です!俺達の上司です!!だから、そんな弱気にならないでくださいっ!!」 普段の猿門がどれだけ慕われているか。尊敬されているか。 六力はそれを伝えようと必死になる。 そんな必死な六力の言葉を受け、 「………ありがとな」 猿門は微笑みを浮かべながら六力に礼を述べる。 猿門の微笑みに、ホッと胸を撫で下ろす六力。 だが、六力は気付いていなかった。 猿門の微笑みに隠された、悲しみを…。 「……ところで、何持ってんだ?」 ずっと六力が手に持っていた箱が気になり、猿門は尋ねる。 「あっ、そうだった!これ、ガーデニング用の花です!主任が頼んでおいた!」 「俺が?」 「はいっ!『勿忘草』ですよ!」 「わすっ……?」 「主任、これが届くのすっごく楽しみにしてたんですよ。植物に詳しい71番のオススメの花だって!」 「……71、番?」 「あっ、71番っていうのは囚人の事で……8房の三人組の一人ですよ。主任、その8房と仲が良くて。特に、武道の達人の2番と天才気功師の58番を主任はすっごく気に入ってたんですよ!」 「………え?その71番は?」 「え?え〜っと……その………」 71番の事となり、六力は躊躇ってしまう。 「どうしたんだよ?」 「そ、その……71番は、何と言いますか……その、天才薬剤師で、花とか草で薬を作り出す事に長けてまして……でも」 「でも?」 「その……サボり癖があって……鍛錬をよくサボったりしてて……」 「………要するに、問題児か」 「ま、まぁ……」 「………まぁ良いや。その花ここに置いてけよ」 「あっ、はいっ」 猿門に言われ、六力は手に持っていた箱を猿門の近くに置く。 「もう戻って良いぞ。お前だって仕事あるんだろ?」 「は、はいっ。何かあったら気にせず言ってくださいね!俺は主任の味方ですからっ!」 「あぁ」 ニッコリと笑顔で庭から出ていく六力。 その笑顔から、本当に良い部下だな…と猿門は思い、 「……(そんな部下にあそこまで心配させちまうなんてな)」 必死に励ましてくれた六力。 だが、その励ましが逆に猿門を追い詰める。 部下に励まされる…… そこまで弱気な姿を見せてしまった…… 本来なら、逆な筈なのに…… 「……俺って、上司に向いてねぇのかも」 ポツリと口に出してしまう弱気な言葉。 記憶が無い……。 それだけで、こんなにも弱気になるなんて……。 考えれば考えるほど、猿門は自分を追い詰めていく。 そんな時、ふと目に移るのは、六力が置いていった箱……。 今日植える筈だった『勿忘草』が入っている箱。 「………」 その箱を猿門は何となく開けてみる。 中には、勿忘草の苗。 その苗を手に取り、 「………(俺、何で、その71番が薦めた花を頼んだんだ?)」 囚人の……しかも、問題児の…… そいつが植物に詳しいから? ……いや、違う。 何だろ……… 思い出せない…… 思い出せないけど…… 何か、とても大切な事のような気がする…… 「………8房、か」 気が付けば、足は自然と庭を出ていた。 その足が向かう先では…… 「猿門さん…本当に記憶が戻らないままなのだろうか……」 「大丈夫ですよ。絶対に戻りますっ」 猿門を心配し、未だ落ち着かない様子のリャンとウパ。 そんな二人とは対照的に…… 「……そんな俺らが心配したところでさ、主任さんの記憶が戻るわけないんだからさぁ。少しは落ち着けって」 寝転び、顔にお花大百科を乗せて寛ぎきっているチィー……。 「黙れクズっ!どうして、お前はそんなにも落ち着いていられるんだっ!」 チィーの態度に腹を立てたリャンが、チィーに怒鳴る。 「だから、俺らがどうこうしたって戻るもんじゃないだろ?だったら、主任さんに余計な負担掛けないように、俺らはいつも通りにしてないと」 「私たちの心配が、猿門さんにとって負担だと言うのか!?」 「………」 「今一番辛いのは猿門さんだっ!記憶を無くして不安でいっぱいで!だったら、私たちはそんな猿門さんに寄り添ってあげるべきだろっ!違うかっ!?」 「…………(他の人間ならそれで良いんだけど)」 でも、あの人は違う……。 あの人は人一倍責任感強いから。 自分たち囚人までが心配してると知ると、きっと自分を追い詰める……。 自分は、主任に向いていないんじゃないかって……。 「どうしてお前は毎回そう他人事みたいにっ……!!」 「リャン、その人に何を言っても無駄ですよ。所詮、他人事だと思ってるんですから」 「くっ………!」 「………(まっ、いつも通り、俺が汚れ役で良いよ)」 自分とあの人の関係は周りには秘密。 その秘密を守るためなら、汚れ役だって平気。 フゥと一息をつき、チィーは目を閉じる。 睡魔を誘う為に。 だが、眠れるわけがなかった。 非情なまでの冷静さを装っても、内心は不安だらけ。 リャンやウパと同等……いや、それ以上の不安。 あの人の記憶が無いままならば、俺への好意は? 俺との関係は? もしかしたら、もう二度と…… あの人をこの腕で抱き締める事ができないかもしれない………。 一昨日の夜に、互いを感じあったばかりなのに……。 そう胸を締め付つける痛みに必死に耐えていると、 「71番はいるか?」 声が聞こえた。 それは、大好きな声……。 チィーが起き上がる前に、その声の人物の名前が、リャンとウパの口から出る。 「「猿門さんっ!!」」 チィーは起き上がり、その目で確認する。 そこにいたのは、間違いなく、愛しい恋人の姿だった。 「猿門さんっ!大丈夫ですかっ!?」 「へ?あ、いやっ……」 「ハッ!そ、そうだっ!私は2番です!猿門さんによくお手合わせをしていただいてる2番です!!」 「僕は58番です!!リャン同様によく猿門さんにお手合わせをしていただいてます!!」 心配した表情で猿門に詰め寄るリャンとウパ。 突然詰め寄られ、猿門はタジタジな様子……。 「……そんないきなり詰め寄って、主任さん困ってんじゃん」 予想通りの反応に、チィーは呆れ顔。 「あっ、申し訳ありませんっ!つ、ついっ!」 「ぼ、僕も申し訳ありませんっ」 チィーの指摘通りの猿門の困り顔に、リャンとウパは一旦落ち着いて猿門から離れる。 「い、いや、心配してくれたんだろ?ありがとなっ」 ニコッと笑ってみせる猿門。 猿門の笑顔にホッと胸を撫で下ろすリャンとウパだが、チィーだけは違った。 「………(やっぱり)」 無理して笑ってる……… 猿門の笑顔が心からの笑顔ではなく、心配かけまいとする必死な作り笑いであると、チィーは見抜く。 記憶が無くてもそういうところは変わらない。 この人らしいな……。 「あっ、えっと……お前たちが2番と58番って事は、アイツが71番なんだな?」 「え、そうですけど……」 「アレに何かご用ですか?」 「ア、アレ?」 ウパの「アレ」発言に、記憶が無くチィーへの周りの態度を知らない猿門はギョッとする。 「クズと言い直しましょうか?」 「クズっ!?」 「………ウパさん。俺の印象を下げるような事、言わないで」 「事実でしょう。鍛錬をサボッてばっかりで」 「そうだっ!猿門さんの事も心配していない癖にっ!」 「いや、その……それは……」 リャンの言葉に、言葉を詰まらせるチィー。 心配している。だが、それは言えない。 本人を目の前にしては。 どうしたものかと頭を抱え、チィーはチラリと猿門に視線を向ける。 目に写るのは、自分に対して何処か冷めた視線を送る、記憶の無い愛しい恋人…。 (うわっ…もう最悪……) 猿門の自分に対する印象が最悪なものになってしまったと、深い溜め息が出てしまう。 「……まぁ良いや。71番、ちょっと来てくれねぇか?」 「え?」 思いがけない猿門の言葉に、チィー本人と、リャン、ウパも目を丸くする。 「確かめたい事があってな。ちょっと二人で話がしてぇんだけど」 「………」 チィーにとってこの上ない好都合。 「うん。良いよ」 自分も猿門と二人きりで話がしたかったチィーは、笑みを浮かべながら即座に返事をする。 リャンとウパの「何故!?」という言葉を背に受けながら、チィーは猿門に連れられて部屋から出ていく。 「……それで、何処に行くの?」 「……何処が良いんだろ」 「へ?」 「いや、二人で話せる場所って何処だろうなって……」 「………」 場所を決めずにまず行動に移してしまったらしい猿門。 (そういう、そそっかしいとこも変わんないなぁ) そんな猿門にチィーは思わずクスッと笑ってしまう。 「!おいっ!お前っ!」 「ハイッ?」 「今笑っただろっ!?」 「え、いや……」 「馬鹿にしてんのかっ!?主任の癖に、抜けてるって馬鹿にしてんのかっ!?」 「してないです、してないです」 「っ…………!」 眉間にシワを寄せ、キッと睨んだ不機嫌極まりないといった表情の猿門にチィーは焦る。 チィーの否定の言葉を受けても、猿門の表情は変わらず、猿門はそのまま顔をチィーから背けた。 (苛立ってるなぁ……) やはり気にしてる……。 記憶を無くした事により、自分が主任に向いていないんじゃないかって……。 こんな状態で、その辺の誰もが行き交う場所でゆっくり話す事など不可能。 となると…… 完全に二人きりの密室が一番……。 「ねぇ主任さん」 「何だよっ」 「話す場所決まってないならさ……主任さんの部屋はどう?」 「…………は?」 「そこならゆっくり話せるっしょ?」 チィーの提案に、思わず気の抜けた声を出し、振り向く猿門。 振り向いた猿門の表情は、目を丸くし、「コイツは何を言い出すんだ?」と言わんばかりの表情。 (地味に傷付くなぁ……その表情……) 猿門の表情に思わず苦笑を浮かべるチィー。 猿門の部屋は何度も訪れている。 それは恋人として 二人きりで過ごす為に。 その部屋への入室の、猿門からの拒絶に近い反応……。 「俺の部屋って……囚人のお前を?」 「うん」 「………え?囚人のお前を?」 「うん」 「…………え?囚人の」 「ヤダ。無限ループ怖い」 あまりの困惑から、無限ループ地獄に突入しかけた猿門。 (まぁ、そうなるよね……) 猿門の記憶が無い今…自分と猿門の関係は、囚人と看守……。 恋人同士ではない……。 そんな自分が主任看守部長である猿門の部屋に入室するなど無理な話だ。 それでも…… 「大丈夫だから。俺、主任さんの部屋に行っても何かするつもりじゃないし。ただ、主任さんと二人でゆっくり話したいだけだからさ」 無理な話だと分かっていても、引き下がれない……。 ここで引き下がっては、きっと後悔する。 大切なものが、自分の手の届かないところへ行ってしまう……。 そう直感したから。 「……でもお前、問題児なんだろ?」 「いや、問題児っていうか、鍛錬サボるぐらいだよ?」 「……何か、勝手に薬作ったりとかしてるって」 「薬だから。体に良いやつだけだから(たまに痺れ薬もだけど……)」 「……クズって」 「お願いします。信用してください」 記憶を無くした猿門へ教え込まれた自分への評判が全て悪いもので今にも泣きたくなってしまうチィー…。 その評判に対しての猿門の冷めた態度が更にチィーの心をズタボロにする。 「……まぁ良いや。信じてやる」 「主任さっ……」 信じてくれた。 それが嬉しくて、ホッと胸を撫で下ろすチィー。 と思いきや…… 「ただしっ!変な行動しようもんなら、只じゃおかねぇからなっ?」 ギロリと睨み付けてくる猿門。 その瞳から感じるのは疑心……。 (全っっ然、信用されてねぇわ………) その事実を突き付けられ、チィーはガックリと肩を落とす…。 未だ信用もしてもらえぬまま、チィーは猿門に連れられて猿門の部屋へと入る。 ガチャッと閉まるドア。 これで、二人きりの密室の完成。 いつもならば、それから甘い時間が訪れるのだが… 「んで、話なんだけどよ」 猿門は部屋の椅子に腰掛け、チィーはその前に立たされる。 それから分かる事は、二人の間に看守と囚人という目に見えない大きな壁があるという事。 「……俺、何でお前が薦めた花を頼んだんだ?」 「花?………あぁ。『ヒメムラサキ』?」 「え?『ヒメムラサキ』?『勿忘草』じゃねぇの?」 「一緒だよ。『ヒメムラサキ』別名『勿忘草』。まぁ一般的には『勿忘草』の方が名前として有名だね。でも俺は名前の響きが『ヒメムラサキ』の方が好きだからそう呼んでるよ」 「そ、そうなのか……じゃなくて!何で俺はお前が薦めたその『ヒメムラサキ』を頼んだんだって聞いてんだよ!」 「………え?何でそんな事聞くの?」 「質問を質問で返すなっ!!」 猿門の疑問に対する答え…… 何でって…… それは……… 『お前が大好きな花、俺の庭に植えるからなっ。お前が育てれない分、俺が代わりに育ててやる。んで、出所したら俺と一緒に育てようぜ』 満面の笑顔で言われたその言葉が答え。 「…………」 「おいっ、何で黙るんだよっ」 「……いや、その」 「隠し事はすんなよ?ちゃんと事実だけを言え」 「……言っていいの?」 「当たり前だろっ。何躊躇ってんだっ」 「……信じてくれる?」 「お前が嘘言わなきゃな」 「……(それって、信じてないって事だよね)」 そんな状態で、真実を話しても猿門はきっと信じてくれない。 自分に対して警戒心丸出しの猿門が、自分の言葉を信じてくれるわけがない。 だからと言って、嘘をつくと何のために二人きりになったのかと自分に言いたくなる。 あぁ……もう疲れた……… 疲れちゃいけないのは分かってる。 けどもう、自分の気持ちを抑えれる程余裕は無い……。 「主任さん」 「何だよ」 「……今から俺が言うこと、本当の事だから。でも、それは周りの皆には秘密のことだから。だから、それを周りに確めるっていうのは不可能だから。それを念頭にいれてもらっていい?」 「……分かった」 チィーの言葉を受け、じっと真っ直ぐな瞳でチィーを見つめる猿門。 その真っ直ぐな瞳も大好きなんだよね…。 その真っ直ぐな瞳に信じて貰いたい……。 「俺は………俺と主任さんはね、恋人だよ」 それは真実…… 紛れもない真実…… 真実なのだが、 「………は?」 チィーの言葉に、目を丸くし、気の抜けた声を出してしまう猿門。 「恋、人…?」 「うん。恋人」 「………は?」 聞き直しても、再び気の抜けた声。 (まぁ、大体は予想してたけど……) そう簡単に信じて貰えないのは分かっていた。 何故なら…… 「……俺は看守、お前は囚人だぞ?」 「うん」 「……その前に俺達、男同士だぞ?」 「うん」 「……それでも、恋人だと?」 「うん」 チィーの予想通りの猿門の疑問。 看守と囚人、そして男同士。 そんな二人が恋人など、真面目な性格の猿門からしたら考えられない事である。 そして、何よりも…… 「……何?俺、お前の事が好きなの?」 「そうなるね」 「……俺、記憶は無ぇけどさ」 「うん」 「……だらしなくて、いい加減な奴は嫌いだってのは分かってんだけど」 「知ってる」 「………え?何で俺はお前の事好きなの?」 「それは俺が一番知りたいかな……」 一昨日、体を重ねた時にも、昨日、二人きりになった時にも、言ってくれた言葉、「好き」。 自分でも不思議だとは思っていた。 どうして自分の事が好きなのかは聞いても恥ずかしそうにして言ってくれなくて。 ずっと知りたかった「好き」の理由。 その理由を本人から問われるなんて、昨日まで夢にも思わなかった。 「……お前」 「ん?」 「……嘘、ついてるよな?」 「ついてません」 「絶対、嘘だよな?」 「絶対、嘘じゃありません」 お互いに真剣な眼差しでの攻防。 両者、一切引かず。 「う、嘘に決まってるっ!絶対っ!!」 まず声を荒げたのは、猿門だった。 「だって……!だって、俺が……看守である俺が囚人と、しかも男のお前と付き合うわけねぇしっ!!」 立ち上がり、チィーに掴みかかる勢いの猿門。 そんな猿門に対し、チィーは微動だにせず、ただ猿門の言葉を受けるのみ。 「それにっ……周りから聞いたお前の評判だって最悪でっ……!そんなお前を俺がっ……!俺がっ……!!」 詰まる猿門の言葉。 チィーにとってその先は聞きたくない言葉……。 耳を塞ぎたい。 いっそのこと、猿門の口を塞いでしまおうか……。そういう考えまで脳裏を過ってしまう。 (いや、さすがにそれはダメだろ……) どんなに自分の心がズタボロでも、今一番辛いのは猿門だ。 それをよく理解しているチィーは、グッと堪える。 どんな言葉でも、聞き入れようと……。 だが、 「っ………と、とにかくっ!!俺とお前が恋人なんて、絶対に有り得ないっ!!」 予想に反して、チィーが聞きたくなかった言葉は、猿門の口からは出てこなかった。 とは言っても、恋人として一切認めて貰えないのはやはり苦痛で……。 「……じゃ、俺はどうしたら良いの?」 「はっ!?」 「主任さんを好きだっていうこの気持ち……諦めた方が良い?」 「す、好きって……」 アナタの事をずっと好きでいる。 アナタの隣にずっといる。 そう誓った俺の気持ちは、どうしたら良い? 「そ、それも嘘だっ!!」 「嘘って……」 「お前が、俺の事を好きなわけないっ!!」 「何でそう言い切る……」 「だって……だってお前っ!!俺の事、心配してないんだろっ!?俺が記憶無くしても、全然平気そうに寝転んでたじゃねぇかっ!!そ、そんな奴がっ…そんな奴が俺の事、好きなわけねぇじゃねぇかっ!!」 先程よりも荒い猿門の声。 恋人関係を否定した時よりも、強い猿門の口調に、チィーの胸がざわつく…。 俺の好意さえも、アナタは拒絶するの……? 俺だって、本当は、本当はっ……! 「……何言ってんのさ」 ダメだ……抑えろっ……。 それを言ったら、余計、この人を追い詰めるっ……。 頼むっ…… その言葉を飲み込んでっ……。 「心配してるに、決まってんじゃんっ」 出てしまった言葉……。 もう、抑えきれない。 「大好きなアンタが、記憶を無くして不安で一杯なんだっ!心配してるに決まってんじゃん!」 抑えきれない気持ちを声を荒げ、猿門に告げるチィー。 「だ、だったら、何でっ……!」 「だってアンタは人一倍責任感が強いからっ!!俺らが心配してるって知ると、心配かけさせたって逆に自分を追い詰めるだろ!!自分は主任の器じゃないってっ!!」 「っ……!」 「その上アンタは、周りを安心させるために、無理して作り笑いしてっ……そんな辛そうな笑顔、俺は見たくないんだよっ!!」 荒げる声。 眉間にシワを寄せた真剣な眼差し。 でも、何処か優しさが感じられる、チィーの怒り顔。 それは他の人間には見せない、チィーの真剣な気持ち。 そんなチィーの真剣な気持ちをぶつけられ、猿門はただ、無言で立ち尽くす。 「…………あっ!ご、ごめんっ!」 ハッと我に帰り、アタフタと取り乱すチィー。 「そのっ、怒鳴るつもりは無くてっ……」 「……何で、謝んだよっ」 「い、いや、その……」 俯いている猿門。 その表情はチィーからは見れない。 怒らせた。 絶対に怒らせた。 (アンタって言っちゃってたしっ……) 目上の者に対して「アンタ」って……。 しかも、何だか全体的に上から目線だったような……。 (もう最悪だっ……) 嫌われた…… 確実に嫌われた……。 そうチィーが肩をガックリと落としていると、猿門の手が、チィーの胸元の服を掴んできた。 殴られるっ……! そう歯を食い縛っていると…… 「何でっ……何でっ………」 そう呟きながら、猿門は俯いていた顔をそのまま、チィーの胸の中へ……。 「へ?」 そんな予想外の猿門の行動にチィーは目を丸くし、ただただ戸惑うだけ……。 そして、猿門は、チィーの胸に顔を埋めたまま、 「何で、お前はっ……俺の事、そんなに分かってんだよっ」 ふるふると小刻みに震える猿門の肩。 手はぎゅっと強くチィーの服を掴んで…… 「お前、問題児じゃないのかよっ。クズとか、だらしない奴とかっ……そんな奴じゃないのかよっ」 「……まぁ、だらしないってのは自覚してるし、人によってはクズかもね」 「そ、そんな奴が……何でっ、俺の事っ……そんなにっ……!」 震える猿門の声……。 その声は小さくて、とても弱々しくて…… 守ってあげたくなる……。 「そんなの決まってんじゃん……」 自分よりも小柄な体。 その震える体を、大きな腕で優しく抱き締める。 「好きだから。主任さんの事が、大好きだから」 アナタが信じてくれるまで、何度だって言う。 俺の気持ち。 本当の気持ち。 「ずっと、主任さんの事見てたらさ…何でも分かるようになっちゃった」 優しい声色で猿門に囁きかけるように告げるチィー。 ずっと見てたから。 だから、アナタが本当に心から笑ってるのかなんてすぐに分かる。 無理してるのだって、表情を見れば分かるよ。 そんなチィーの想いを受けた猿門は…… 「……何でかなぁ」 「ん?」 「……他の奴にはさ、弱い自分を見せたくなかった。お前の言う通り、無理して笑ってた」 「うん」 「なのにさぁ……お前とこうして二人きりになったらさ……何か安心して……自分をさらけ出してさぁ。あんな大声上げたりして、みっともねぇ姿見せて……」 「……別にみっともなくないっしょ。主任さんだって一人の人間なんだから」 人間誰しも完璧ではない。 弱気になる事だってある。 だから無理しないで。 辛かったら、辛いって言って……。 「……お前」 「ん?」 「……やさ、しいんだなっ」 「え?そう?」 「んっ………今なら分かる。お前の言葉」 「ん?」 ずっとチィーの胸に埋まっていた猿門の顔がようやく上がる。 チィーの瞳に写るのは、眉を下げ、瞳を潤ませた弱々しい猿門の顔。 目尻には、涙のアト。 (やっぱり、泣いてたんだ…) その涙のアトを親指でソッと優しく拭うチィー。 その仕草を猿門は受け入れる。 「……なぁ」 「ん?」 「もっと……もっと、俺に触れて」 「え」 「先生が言ってた……好きなものに触れてたら、記憶が戻るかもしんないって。だから……」 「……え?それ、どういう意味……」 弱々しい猿門の声。 だが、その声で告げられた言葉は、チィーを期待で高まらせる。 「お前の言葉、信じる……俺が、お前の事好きだって。お前と、恋人だって信じる。だから…」 もっと、触れて。 優しく……その暖かい手で。 チィーの両頬に手を当て、告げてくる猿門。 猿門の瞳は変わらず、真っ直ぐで…… その言葉が、心からの言葉だとすぐに分かって……。 「うん。いっぱい触ってあげるよ、猿門さん」 チィーは、優しく微笑みながら猿門に触れるだけの口付けをする。 その口付けを受け入れた猿門は、頬を赤く染め、 「ぃ、今……」 「ん?……あ、キスは嫌だった?」 「ち、違っ……キスじゃなくてっ……」 「?」 「な、名前っ………」 「!(あぁ……)」 普段は周りにバレないようチィーは猿門を「主任さん」と呼ぶ。 だが、その呼び方が変わる時がある。それは…… 「こうして二人きりの時に、恋人として接する時はさ、俺、「猿門さん」って呼んでんだよ」 今日は猿門が自分に警戒心丸出しだったため、二人きりでもずっと「主任さん」と呼んでいた。 だが、今は違う。 自分を恋人だと信じてくれて、いつものように甘えてきてくれる。 だから、「猿門さん」と呼んだのだが、 「嫌だった?」 「ぃ、嫌じゃない……嫌じゃない」 そう小さく首を横に振りながら、腕をチィーの首に回し、チィーにぎゅっと抱き付く猿門。 「もっと…もっと呼んで」 「ん。猿門さん」 大好きな名前を口にしながら、チィーはニッコリと笑い、ぎゅっと猿門を抱き締める。 「……もっと、もっともっと呼んで。何か、思い出せそう」 「え?そうなの?じゃ、いっぱい呼んであげる」 「んっ……もっと、俺に触れて。もっと、俺の名前を呼んで」 「うん。分かったよ、猿門さん」 「………もっと」 「うん」 「もっと、お前を感じさせて」 その言葉は、悩ましげな瞳で告げられ、チィーの男の欲情を駆り立てる。 「そんな事言われたらさ…俺、欲情しちゃうよ?」 ニッと笑ってみせるチィーだが、内心はハラハラである。 こんなセクハラ紛いの言葉、記憶の無い猿門には刺激が強すぎたかと…。 「……良い」 「……え?」 「言ったろ……お前に触れて欲しいって。お前を感じたいって……だから」 抱いて……。 猿門にそう懇願され、チィーの欲情は一気に噴き上がる。 あぁ、もう。本当、何でこの人は…… こんなに可愛いんだろ。 抑えきれなくなった欲情。 チィーは、そのまま優しく猿門をベッドに押し倒した……。 猿門の部屋に響く音。 それは、チィーの性器が激しく猿門の秘部に出し入れを行う際に生じる、グチュッズチュッという愛液が混ざり合う淫靡な音。 そして、 「ひっ、あっ……!あぁっ!んふぅっ……!」 快楽に酔いしれる猿門の甘い喘ぎ声。 「猿門さん、気持ち良い?」 興奮から頬を紅潮させ、ハァハァと激しく呼吸をし、微笑みながら猿門に尋ねるチィー。 「んっ……!あっ、んんっ……!ぃ、いいっ…!気持ち、いいぃっ……!!」 「猿門さん、ココ突かれるの好きだよね」 そう言いながら、チィーは猿門が最も感じるポイントを自身の性器で突く。 そのポイントを刺激され、その刺激が性器に伝わり、猿門は腰をビクンッと大きく震わせる。 「ひっ、ぁ、ふぅっ……!」 猿門の目からは、快楽に耐えるための涙が溢れ落ち、 猿門の表情をより一層、妖艶なものにする。 「猿門さん…」 「ふ、ふぅ……?」 「好きだよ、猿門さん」 その言葉とともに、濡れた猿門の唇に口付けを落とすチィー。 舌を絡ませ、クチュレルッと音を立てながら、唾液を混ざり合わせる。 「あふっ……ふ、ぅんっ……」 チィーの首に腕を回し、ぎゅっと抱き付く猿門。 「んっ、ふぅ……(あっ、この感じ……)」 覚えてる。 この温もりと、この匂いを。 優しく、時に激しく抱いて……。 とろけるような口付けも……。 「あっ、ふぁ……も、もっと……」 「ん?」 「もっと、好きって言ってぇ。もっと、俺の名前を呼んでぇ。もっと、もっと俺を抱いてぇっ」 潤んだグリーンアップルの瞳が、紅紫の瞳を直視する。 それは、愛しい人を見る瞳。 愛しい人を欲する瞳。 「猿門さんっ」 そんな瞳で見つめられ、チィーの性的興奮は一気に上昇する。 激しく猿門の中に自身の性器を突き立て、自らも快楽に酔いしれる。 「猿門さんっ、好きっ。大好きだよっ」 「んっ!あっ!あぁっ!」 「猿門さんっ」 激しい動きにギシギシっとベッドは軋む。 ローションと愛液でグチョグチョに濡れてしまっている猿門の中に、チィーは何度も何度も激しく性器を出し入れする。 「っ………あ、くっ……!猿門さっ……」 「んあっ!ああぁっ!ぁいっ!ひぃんっ!」 秘部から伝わる快楽が、性器、全身へと駆け巡り、猿門はビクビクッと体を震わせる。 秘部から前立腺を刺激され、性器に沸き上がってくる欲望の液。 「あっ!イッちゃっ……イッちゃうっ!んああっ!」 「猿門さんっ……愛してるよっ、猿門さんっ」 「んあっ!あぁっ!お、俺もっ……俺も、愛してるのぉっ……!チィ、ィーっ…!!んあっ!ああぁっ!」 チィーに強くしがみつき、猿門は性器から欲望の白い液を放つ。 猿門の絶頂による秘部の締め付けで、チィーもまた性器から欲望の白い液を放ち、激しい腰の動きを止めた。 先程まで淫靡な音で満たされた部屋は一気に静まりかえる。 聞こえてくるのは、二人の激しい呼吸音。 「…………あれ?猿門さん?」 「んっ……?」 「最後……俺の事、「チィー」って呼んだ?」 通称は確か記憶の無い猿門には教えていない筈……。 だが、猿門は絶頂を迎える時に、「チィー」と呼んだ。聞き間違いでなければっ……。 「んだよっ、悪いかよっ」 「え?え?」 「……お前が、二人きりの時は「チィー」って呼んでくれって頼んだんじゃねぇかっ」 そう恥ずかしそうに頬を赤らめながら、チィーの胸に顔を埋める猿門。 今の言葉……そして、この仕草…… 「猿門さっ……記憶、戻ったっ!?」 「………うっさい」 「え?え?本当にっ?本当に戻ったのっ?猿門さんっ?えっ?」 「……戻ったよ、バカッ」 好きなものに触れていたら記憶を取り戻すかもしれないとは、よく言ったものだ。 「……………」 「っ……な、何か言え…」 「猿門さぁぁぁぁぁんっ!!!」 あまりの嬉しさにチィーは叫びながら猿門をぎゅっと強く抱き締める。 突然チィーに強く抱き締められ、猿門は思わず「どわっ!」と声を出してしまう。 「良かったっ……!本当に良かったっ!!」 ぎゅっと抱き締めながら、猿門の肩に顔を埋めるチィー。 猿門にもチィーの喜びが伝わり、少し照れ臭そうにしている。 「あっ、ごめんっ!苦しかったよねっ!」 強く抱き締めすぎたとチィーは腕の力を弱め、猿門に謝罪する。 「いや、別に……逆に嬉しかったし……」 「え?」 「そのっ……お前がそんなに喜んでくれた事がさ」 いつもは冷静なチィーがあまりの歓びに取り乱して自分を抱き締めてくれた。 それが、本当に嬉しくて。 「それにっ、謝んなきゃいけねぇのは俺の方だし……そんなに心配かけちまってさっ……」 嬉しさと同時に出てくるのは、申し訳ない気持ち。 大好きな人をそんなに心配させてしまったという自責の念……。 「他の奴にも……」 「………猿門さん」 「ん?」 言葉途中でチィーの言葉に遮られた猿門。 そして、そのまま口を塞がれる。 チィーの口付けによって。 「んっ………」 突然の口付けに目を丸くする猿門。 「ッハ……な、何だよ、いきなり」 「ねぇ猿門さん……記憶無い時の事、覚えてるんだよね?」 「そ、そうだけど……」 「じゃ、俺が言った事は覚えてる?」 「え?………あ」 アナタは人一倍責任感が強いから、自分を追い詰めてしまう。 無理して笑ってみせて。 それは、見てるこちらが辛くなる。 「この際だから、言っとくね」 「お、おう……」 「猿門さんの事を皆が心配するのは当たり前だよ。皆、猿門さんの事が大好きなんだからさ。だから、そこに責任を感じる必要なんて無いんだよ」 「で、でも……」 「もうちょっと、気を緩めていこ?主任だからってさ、気を引き締めすぎちゃったら、バタンっていきなり倒れちゃう可能性だってあるし。その方が周りに迷惑になるだろうし」 「ぅっ……」 「何かあれば、俺が愚痴とか聞くし。ね?」 ニッコリと満面の笑顔で告げるチィー。 「っ………」 チィーの言葉受け、猿門の頬は赤く染まる。 その言葉が嬉しくて。 その向けてくれる笑顔が嬉しくて。 その優しさが嬉しくて。 ずっと自分を見てくれていた。 自分を分かってくれていた。 自分を心から気遣ってくれていた。 それは、今でも変わらない……。 「………だから、好きなんだよっ」 ボソッとチィーに聞こえるか聞こえないかの声で呟く猿門。 「え?何?」 「何でもねぇよっ!」 そう強い口調で言う猿門だが、ぎゅっとチィーに抱き付き、顔をチィーに見せないようにする。 それはもちろん、恥ずかしさで赤くなってしまった顔をチィーに見られないため。 「……(耳まで赤くなっちゃって、かぁわいい)」 いつもと変わらない可愛い恋人に思わずクスッと笑ってしまうチィー。 そう。いつもと変わらない……。 いつも通り、アナタの側に居れる。 いつも通り、アナタをこの腕で抱き締めれる。 昨日までは当たり前だと思っていた事が、こんなにも幸せな事だったなんて。 「猿門さん」 「な、何だよっ……」 「これからもずっと一緒にいようね」 「ったり前だっ。バカッ」 「うん。そうだね」 当たり前。 そんな幸せがずっと続くように……。 愛しい人の熱を感じながら、チィーは心から祈った。 「………ところでよ」 「ん?何?」 「お前……いつまで、入れてるつもりだ?」 実はずっと、挿入したままでした。 何をって、ナニを。 「ん〜……もうちょっとこのままで」 「ふざけんなっ」 その後、強制的に抜かされました。 End 僚様よりいただいたリクエスト、『猿門記憶喪失、チィー何言っても信じて貰えない、R18内容(最中に猿門記憶を取り戻す)』でございます。 エロ少ねぇぇぇっ!!申し訳ありません……他の話が長くなってしまったので、エロを少なめにさせていただきましたっ……! と言うよりも、このような内容でご満足いただけたかが心配です。 基本チィーさん視点で書いていたつもりが途中でお猿ちゃん視点も入ってきたりと……読みづらくて申し訳ありません。 後、花も出てしましたが、ただの管理人の趣味です。深い意味はありません。『ヒメムラサキ』って名前が本当大好きで。 でもまぁ、記憶を失ったお猿ちゃんに四苦八苦するチィーさんは書いてて楽しかったです。リク内容がとても分かりやすくてスラスラと書けました。 僚様、このような駄文ですが、貰ってくださいm(__)m [次へ#] |