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駄文
男の意地(チィ猿)

「……猿門さん」

「んだよ」

「……この状況は、どういう事?」

猿門にベッドに押し倒されているチィー。
訳がわからず、苦笑するしかない。
猿門はというと、チィーの上に乗り、至って真面目な顔をしている。

「うるせぇっ。いつもは、何か流れで俺が女役ばっかだけど、今日はそうはいかねぇからなっ」

「………え?」

猿門の言葉に、チィーは目を丸くする。

「もしかして…俺を抱く気?」

「もしかしなくてもそうだよっ」

「……急にどうしたの?」

いつもは、何の文句も言わずに、抱かれているというのに。

「俺だって男だっ。いつまでも抱かれてばっかいられるかっ」

「……いつも気持ち良さそうにしてんのに」

「う、うっせぇっ!何と言われようが、今日は俺が抱く側だかんなっ!」

「(とか言ってる顔が可愛いんだけど)」

頬を赤く染める猿門にチィーは「やっぱ俺が抱きたい」と思うも、自分よりも力のある猿門に腕を抑えられ、どうすることもできない。

「観念して抱かれろっ」

「えぇぇ」

「何で嫌なんだよっ!」

「……とりあえず、読者の誰も求めてないと思う」

「読者ってなんだよっ!読者って!!」

チィーさん、そんなメタ発言はやめてください。

「お前、俺の事好きなんだろっ!」

「好きだよ。植物以上に大好き」

「だったら抱かれろっ!」

「それとこれとは話が違うっしょ〜」

「違わねぇよっ!!」

「………てかさ、猿門さん」

「なんだよっ!」

「………勃つの?俺を抱こうと思って」

「!!」

チィーの言葉を受け、猿門は固まってしまう。

こいつを抱くことを想像すれば……
あれ?何か想像できね……
だったら、いつも、俺がされてることを、こいつにしてるよう想像すれば……
そう。いつもされてることを……………………。

「っ〜!!」

いつもチィーにされてることを思い出し、猿門は顔を真っ赤に染め上げる。

「え?どうしたの?」

赤面した猿門を可愛いと思うも、一体何に対して赤面してるのか分からず戸惑うチィー。

「うっ、うっ、うるせぇっ!別にいつもお前にされてることを思い出してたわけじゃねぇんだからなっ!!」

「思い出してたのね」

「うるせぇっ!!!」

「で、何で思い出してたの?」

「そ、それはっ…お前にも同じことしてるの想像したら、勃つかなぁって…っ」

「で?勃ったの?」

「………想像すら、できなかった」

「かぁわいいっ」

「何がだよっ!」

「つまり、猿門さんにとって、俺は抱けない人間って事でしょ?」

「うっ、ぐっ……」

「だったら、今日も、これからも俺が抱く側で良いよね?」

ニッコリと満面の笑顔のチィーに、猿門は顔を真っ赤にしたまま、小さく頷く。

「じゃ、抑えてる腕離して」

「………きなのに」

「ん?」

「お前の事、好きなのにっ…何で、抱く想像できねぇんだろっ」

悔しいような、切ないような…そんな表情を浮かべ、瞳を潤ませる猿門。

好きだ。
大好きだ。
だから、抱かれても一切嫌な気分にならない。
だけど、自分は男だ。
男なら、やはり、好きな者は抱きたいと思うはず。
本能的にそうなはずだ。
なのに……。

「俺、お前のこと、本当に好きなんだよっ。自分でも何でこんなに好きなのかわかんねぇくらい大好きなんだ。なのに、さぁ……」

「…………」

赤面し、目を潤ませながらの猿門の告白に、チィーは、

「(俺ってば、超幸福者ぉぉぉっ!!!)」

萌えに萌えていた。

「……猿門さん」

「!」

「別に俺は気にしてないよ(つか、 抱きたいって思われたくないし)」

「っでも…」

「普段はさ、主任として、気ぃ張ってんじゃん?甘えたりもできねぇし。だから、俺と二人っきりの時は、甘えたくなるんじゃない?それこそ、男だろうと関係なくさ」

「!」

「だからさ、そんな深く考えんなって。俺の前じゃ可愛い猿門さんでいてよ」

ニッコリと満面の笑顔で告げるチィー。
その言葉で、猿門の胸のつかえはスッキリと取れる。

「ぅ、うるせぇっ。可愛いとか言うなっ」

「嬉しいくせに〜」

「〜っ!もう黙れっ!!」

ガバッとチィーの胸に顔を埋めるように抱き付く猿門。

「そんな可愛いことされたら、俺、色々やっちゃうよ?」

「……やれよ。お前になら、されていいしっ」

「かぁわいい〜」

じゃ、遠慮なくっ。

その日もまた、いつも通りの二人っきりの時間を過ごす二人であった。










End

猿ちゃん、27歳だよね?高校生とかじゃないよね?ってくらい幼い猿ちゃんでした。猿は高校生って言われても納得できるレベル。

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