3-5
「これお願いします。
そう言って先ほど倒した魔物の核を渡す。
『かしこまりました。…黄玉2個、赤玉1個、青玉1個、すべてランクCです。報酬は12,000$になります。』
核と引き換えに報酬を受け取る。
『ありがとうございました。』
交換がすんだ舞白は今度は資料室を訪れていた。
この世界について知るためだ。
「たっくさんあるなー。」
端の資料から気になるものを見ていくことにした。最初は地理についての資料を手にし、目を通す。
この世界は四つの国に別れている。
イーストグラウンド
サウスグラウンド
ウェストグラウンド
ノースグラウンド
舞白が今いるソウハはイーストグラウンドにある町のひとつだ。
他にも舞白は次々と資料を見ていく。
暫く経ち、伝説についての資料を読んでいる時に資料室の奥の方から声が聞こえてきた。
『お前あの噂知ってるか?』
『知ってる知ってる。この町に指名手配犯が忍び込んでるってやつだろ?』
『そいつを捕まえる為にダリアンとその兵達が昨日からソウハに来ているんだってさ。』
『ダリアンってあのサーシャの?』
『あぁ。』
話の内容が気になった舞白は資料室の奥の方で話していた二人組に声をかける。
「あの、そのダリアンって誰ですか?」
『お前知らないのか?ダリアンはこのイーストグラウンドにあるサーシャって町の権力者だよ。貴族出身なもんでここらへんでやりたい放題してるんだ。
』
『そのダリアンが数ヶ月前からある人物を追って町を転々としているんだ。イーストグラウンドじゃ有名な話だよ。』
「ある人物?」
『なんでもそいつは破ってはいけない規則を破ってしまったんだと。』
『まぁ、規則っていってもサーシャの規則なんてあって無いようなもんだけど。』
あの町治安悪いもんな、と続ける二人組。話し終えると資料室から出て行った。
それから舞白はひたすら資料を読むことに没頭した。
「もうこんな時間か…。」
あまりにも没頭し過ぎて時間のことをすっかり忘れていた。窓から外を見るともう夕日が沈んできている。
(お昼ご飯また食べ損ねた‥‥。)
そんなこと思いながら全部の資料を元あった場所に戻して宿に帰るためにギルドを出た。
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