3-4 「ん‥っ、」 窓から射す太陽の光が眩しくて目を覚ます。 今日一日の始まりだ。 ぐうー 「お腹空いた…。」 昨日はいろんな事がありすぎて忘れていたが、昨日のお昼から何も食べていない舞白のお腹は限界だった。かといって食べ物を買うお金も持ち合わせていないので、どうしようかと考える。 とりあえずギルドに行ってみる、と決め光怨斬を背中に背負い宿を出た。 *** ギルドに着くとまず掲示板の方へ足を運ぶ。 (何か食べ物がもらえる依頼とかないかなー。) 依頼書を一枚一枚見ていく。 「そんな都合のいい依頼なんてないか……あっ、」 他の依頼書に紛れてわかりにくくなっていたが、舞白が見つけた依頼書はまさに探していた物だった。 ───────────────── 依頼書 場所:ご飯処ソウハ 用件:早朝の仕込み手伝い 報酬:1,500$ 特典:朝食有 ─────────────────── (これだ!!) 早速依頼書を受付に持って行く。 「これってまだ間に合いますか?」 『はい、間に合います。』 「じゃあこれお願いします。」 依頼書を受付の人に渡す。 『かしこまりました。少々お待ちください。』 『お待たせいたしました。受理いたしましたのでこちらに向かってください。』 そう言われて渡されたのはご飯処ソウハまでの地図だった。 *** 地図を見ながら目的地に向かい無事依頼を遂行し、報酬と朝食をゲットした舞白。 (料理出来てよかったー。) 両親は共働きだったため、小さい頃から台所に立っていた舞白は他の人より料理の腕が良かった。店主に料理の腕を気に入られ手みやげまでもらってしまった。 でも料理の腕だけではここでは生きていけないだろう。 この世界の人は魔物と闘うのが日常なんだ。 闘わなきゃ生きられない。 (外が明るいうちにクエストをやろう。) そう決めた舞白は森に向かった。 「今にもなんか出てきそう…。」 そんなことを思いながら魔物を探すため、気配には十分注意して辺りを見渡す。 ブオォォォオオオン! 「!」 背後からいきなり大きな蛾の魔物が現れた。 咄嗟に背中の光怨斬を抜き魔物の方に構える。 魔物が舞白の方に向かって襲いかかってきた。 (来た!!) どうする、と考えるより先に勝手に身体が動き、魔物に向かって光怨斬を振り下ろしていた。 気が付くと魔物の姿はなく、赤玉が地面に落ちていた。 (何だ今の感じ‥‥。) まるで闘い方を知っていたかのように、身体が勝手に動いた。目が疼く。この感覚は… 目の疼きはなくならないままその後も何匹か魔物と闘い、黄玉2個、赤玉1個、青玉1個を手に入れた。 ギルドで核を換金してもらうため、森から出る。そのころには目の疼きはおさまっていた。 . [←][→] [戻る] |