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駄文
心理的境界(売り専/ぬるエロ)



『抱く』のと『抱かれる』のは違う。



『抱きたい』と思うことと『抱かれたいと』思うこととは違う。


自分が心底『抱かれたい』と思う相手がいるとき。他の誰かに抱かれることは罪、裏切り、浮気になる。


逆もまたしかり。心底『抱きたい』と思う相手以外の誰かを抱くことは、相手への裏切り。浮気である。



しかし。こういう場合はどうだろうか。


心底『抱かれたい』と思う相手がいる。


その相手以外の人間を、『抱く』。




――…僕はそれは裏切りだと思わない。そう思うことにしている。



そう割り切って今の仕事を始めたんだ……





――…「ひいっ、あぁっ!気持ちいぃ!もっとぉ…しっ支配してぇぇぁうっ!くださぁあい!!!」



「ふふふ…もぉっと気持ち良くなりなさい…頭の中まで犯してあげる」



熱い吐息とともに、洗脳する言葉を耳に吹き込んだ。


そのままじゅぶじゅぶと舌をねじ込み、淫らな音で思考を混濁させてゆく。



僕の太ももに必死で股間を擦りつけてくる中年男。


ベッドに仰向けに押し倒し、僕はその上から覆いかぶさってるだけ。客は僕にしがみつき、僕の片足を両足で挟みこんでチンコを太ももにすりつけてくる。ひこひこへこへこ腰を蠢かせて、なんとも間抜けだ。僕は体力的に楽だからいいんだけど。



「あはぁぁ…ぁーっ、あっあっ!またイきそうっ!あぅっあぅっ」


「まだだぁめ。ちゃんとギリギリで我慢しなさい?でもギリギリまでとめちゃだめだよぉ?」



「あっ、あぁっ!あァアだめイくいくイっく………あがぁあっ」



不自然にガクガクと腰が止まり、うめき声をあげて必死に射精を堪えているようだ。なかなか従順で可愛い。

かなり敏感らしくすぐイきそうになってはギリギリで腰を止め、しかし快楽には勝てずすぐに腰を振り出してしまう。


口はだらしなく開いて、目はすでにどこを見ているのかわからない。



…今日の客は感度がいいな…――





僕がこの仕事…売りを始めてから1ヶ月が経った。


仕事での僕はタチ専門。たまに舐めさせたり指を入れさせたりすることはあるけど、ネコ側には一切回らない。



金は必要だけど愛する彼を裏切りたくはないから。仕事とプライベートを分けるためだ。



僕を抱いていいのは彼だけ。抱かれたいと思うのも彼だけ。



『抱く』というのはお客さまへのサービス行為。



ぼんやりとそんなことを考えながら、僕は客に口づけを送った。




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