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お話しましょー

生ハムをお腹いっぱい食べ、このんはご機嫌だ。
その証拠に鼻歌を歌っている。

「るりらーるーりらるりるりらー♪」
鳳「ご機嫌だね、暁来さん」

ご機嫌なこのんを撫でながら鳳は微笑みを浮かべた。

日「機嫌がいいのはいいが、コイツるりらるりら歌い始めたら止まらねぇからな…。」

呆れた眼差しを日吉は歌っている少女に向ける。
でも見えていないからるりらるりら歌い続けている。

「るりら…♪るりら…♪るりら…♪るりら…♪」
向「あ、リズム変わった」
芥「てかマジでるりらしか歌わないCー!」
忍「おかしな子やね。」

氷帝はほのぼのと少女を見ていた。
そこに、からし色のジャージの少年が近づいた。

?「…おい」
日「ん?なんだ、切原か…。何かウチに用か?」

気まずそうに声をかけてきた切原に、気付いた日吉が尋ねる。
このんも気付いたのか、切原を見れば一瞬思考が止まり、フルフルと怯えだした。

異変を感じた嘩地が優しく背中を撫でる。

日「……暁来になんかやったか?
あいつは人見知りだが怯えるなんてしない」

横目で自分の弟子を見てから切れ長の目を細めた。
バツの悪そうな顔でこのんを見てから重い口を開く。

切「…ここ来る途中の廊下で会って…ミーハーかと思って睨んだんだよ。
…そしたらあんな感じに怯えられた」
跡「なるほどな…
納得はいくが……考えが浅はかだったな、切原
で、謝りにでも来たのかよ…?」

話を聞いていた跡部は切原を見てから問う。
跡部の言葉に、切原は僅かに首を縦に振る。
日吉は、ふぅ…と息を吐いてからこのんに顔を向ける。

日「おい、暁来
こっちに来い」

戸惑い怯えていたが、ゆっくりとした動作で日吉と切原のもとに歩み寄った。
が、素早い動きで日吉の後ろに隠れる。

向「早ッ!?」
日「隠れるな、阿呆」

日吉によって前に出されれば不安そうに切原を見上げる。

切「…その…、…悪かったな…睨んだりして」

切原は小さめだが、はっきりとした口調で謝った。
ちゃんと聞こえたのか、このんは怯えた表情からキョトンとした表情に変わった。
それから日吉に視線を送ればアイコンタクトで「大丈夫だ」と返された。

「…、だいじょうぶなの…
怯えて、ごめんなさい…」

ぺこりと綺麗に90°に身体を曲げた。
それにギョッとし、切原は慌てる。

切「なんでお前まで謝ってんだよ!?
つか綺麗に90°過ぎるっての!!」
柳「落ち着け、赤也」

いつの間にか赤也の横にいた柳が慌てる赤也を抑えた。
このんは顔を上げ、不思議そうな目に2人を写す。

「?」
柳「暁来だったな…
あれは赤也の失態だ。お前まで謝る必要はない。」

頭を撫でられ、納得したのか小さく頷いた。

切「もう睨んだりしねぇからよ…
その…よろしくな…?」
幸「あはは、なんで疑問系?
とりあえず、暁来さん。この合宿の間はよろしくね。
俺は立海大学付属中の部長、幸村 精市だ。」

よろしくと出された幸村の手をじーっと見つめる。
それから日吉に目線を送ればアイコンタクトされて返された。

「…よろしくおねがいします…」

きゅっと小さな手でその手を握る。
幸村はその様子をみて微笑み、その手を優しく握った。

お互いが離せば切原が乗り出す。

切「俺は立海大の二年エースの切原 赤也だぜ
よろしくな、ちびっ子」

わしゃわしゃとこのんの髪を撫でる。
当然ぐしゃぐしゃになった。
気にせずほうっておいたら日吉が手櫛で撫でて簡単に元に戻した。

日「自分で直すようにしろと何遍言わせれば気が住むんだ?」
「……すぐなおるもん…
ひよしくん気にしすぎ…なの」

反論すればペチコンッと頭を叩かれた。

柳生「まるで兄妹みたいですね…」

柳生が微笑ましそうにみていれば呆れたように日吉は答える。

日「まぁ……これよりチビな頃から世話(?)してますから…」
幸「いいと思うよ。
髪色とかなんとなく日吉に似てるしね。」

幸村はおかしそうに笑って言った。
話の中心人物となっているこのんはさっさと椅子に座って桃のシャーベットを食べていた。

日吉が再び頭を叩くまであと10秒…

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あきゅろす。
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