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はじめましてー**

皆が東京の港に集まり、船を待っていた。

柳「赤也があと五分後に来る確率…85.2%」
真「まったく…たるんどるッ!!」

立海メンバーは遅刻魔の赤也を待っていた。

大「越前…また遅刻か…」
手「合宿所に着いたら走らせよう」

こちらも遅刻魔を待っていた。
四天宝寺は前の日から東京のホテルで泊まっていたので全員いる。
氷帝も言わずもがなだ。
柳の言う通り、赤也は五分後に来た。

赤「ス、スンマセンッ!副部長ぉぉッ!!」
真「合宿に限っても遅刻なんぞたるんどるッ!!
歯を食いしばれッ」

バチィィンッ!と赤也の頬を真田がぶった。
それをニコニコ幸村はみていた←(ぇ

その二分後くらいに越前がくれば桃城や菊丸にいじられていた。

桃「相変わらずだなぁ、相変わらずだぜ」
越「ちょっ、桃先輩痛いッスよ!菊丸先輩も」
菊「真田よりマシだと思った方がいいにゃー!」

バシバシと背中やら頭を叩く二人に抗議すればもっとなことを菊丸に言われた。
ぅ…と納得したようにチラリと頬を赤く腫らした赤也を見、越前はそうッスね…とげんなり気味だ。

手「合宿所に着いたらランニングを増やすからな」

手塚の冷たい目線に越前は頷いてやってきた監督たちに目を向けた。

竜「今日から一週間、榊監督のご好意で全国大会に出場した四校で合宿を行うよ。
思い出の一環として楽しみな!」

竜崎先生がそう言えば、全員が返事を返す。
その後榊監督が皆の前に足を踏み出す。

が、何かが彼の後ろにいた。

白「?
榊監督、後ろなんかいます?」

白石が気付いた皆の代表として尋ねた。
榊監督はあぁ、と後ろを振り返って、それに話しかけていた。

榊「ご挨拶なさい」
?「……こわい…です」

サラサラと栗色の髪が横に揺れているのが皆には見えた。
横に頭を振っているのだろうとわかる。

竜「大丈夫さ、皆変わったところはあるがいい奴ばかりだよ」

竜崎先生もそれに声をかければ、オドオドと榊監督の後ろからゆっくり顔を出した。
幼い顔立ちをした栗色の髪の小さな少女だった。

日「ッ!?暁来!?」

日吉が知っている人物なのか驚いたように声を上げた。
皆(といっても樺地以外)がそんな日吉に顔を向けた。

「…あ……ひよしくん…」

知り合いがいてホッとしたのか完全に榊監督の後ろから出てきた。
空色のパーカーを羽織り、白い七分丈のズボンと黒いスニーカーを履いていて、背中にはひよこのリュックを背負っている。
まさに子供だ。

不「越前や遠山君より遥かに小さい子だね。」
向「日吉、知り合いか?」

不二がクス、と笑って少女を見つめ、向日が疑問を口にする。
日吉は若干動揺しているようだが、冷静に答えた。

日「…えぇ…。
うちの道場の俺の弟子ですよ」
忍「古武術の!?
あないなちっちゃい子がかいな?」
鳳「しかも日吉の弟子!?」

日吉の発言に鳳は目を丸くし、再び少女に目を向けた。
眠たそうな琥珀の目はキョロキョロと辺りを見ている。

日「ちなみに、越前や遠山と同い年です。
氷帝学園中等部一年F組の奴ですよ。」

再び皆が驚く。
見た目小学生のような少女がまさかの中等部の子だったからだ。
少女はおずおずと前に出てきて、深すぎる会釈をした。

「暁来 このん…です……。
よろしく…です。」

大丈夫かな?と日吉に目を向けた。
ため息を吐きながらも日吉が頷けば嬉しそうにへにゃりと笑った。

榊「ちゃんと自己紹介できたな。」

榊監督は父親のように頭を撫でた。

榊「この子はこの合宿中臨時マネージャーとして皆をサポートしてくれる。
テニスについて詳しいところもありマネージャー業も手慣れているので安心して任せてやって欲しい。」
跡「…本当に大丈夫なのか?」

訝しげに跡部は一番彼女に詳しいであろう日吉に問いかけた。
日吉は特に気にしていないのか即頷いた。

日「あんな容姿ですが、サポートや怪我の応急処置はなかなかですよ。
俺も応急処置をやってもらったことはありますが、的確な処置をしてくれました。」

日吉のお墨付きらしく、彼の言うとおりなら大丈夫だろうと訝しげな表情を消す。

臨時マネージャーの自己紹介が終わったところで、船が来た。
流石榊監督といった感じの豪華客船だ。

謙「でっかぁーッ!
なんやねん、このデカさ!!」
丸「ご馳走はあるのか?」
ジャ「食う気かよ…」

それぞれの部長が指示を出し、船に乗り込んでいく。
ここから島までは半日くらいかかるため各校の部屋があるらしい。

少女はキョロキョロと日吉を探していた。

日「おい、こっちだ。」

日吉が呼べばテコテコとこのんは駆け寄ってきた。

「いっしょ、だめ?」
日「…お前の部屋までな」

ポンと頭に手を乗せられればコクコクと頷いた。

芥「ねーねー、このんちゃん!オレ芥川ジローていうんだ
よろしくね!」

人懐っこい笑みでジローが自己紹介した。
いきなりの自己紹介にビックリしたのか日吉の後ろに隠れた。

向「ダッセー、ジロー!
嫌われてやんの」

ケラケラと避けられたジローを笑う向日。
日吉が再びため息を吐く。

日「違いますよ、向日さん。
コイツ人見知りですから、いきなりの自己紹介に驚いただけです。」

彼の言葉に、少女は小さくコクコクと頷いた。

「ごめ…なさい…。」
芥「大丈夫だCー!
こっちこそごめんねー」

へらりとジローが笑いかければ、少し表情が柔らかくなった。
それを見ていた向日が自分も!と自己紹介を始めた。

向「俺、向日岳人な!よろしく!!」
「向日…先輩……。
…よろしく…です。」

自分より遥かに小さい少女が気に入ったのかニカッと向日は笑う。
ふと、このんは跡部に目を向けた。
ジーッと見つめていれば気付いたのか跡部が目を合わせた。

跡「なんだ?」

このんはゆっくり尋ねた。

「あの……、他の、部員の方々…わからないです…。
生徒会長さんが、今日の合宿の…部員の人たちのリスト…もってるって、榊先生が…」

つまりは、リストを見せて欲しいようだ。
たどたどしい言い方に、日吉がパコンッと頭を叩いた。

鳳「!?日吉ッ!?」
日「ちゃんと説明しないとダメだろ。
跡部さん、暁来は今日の合宿参加者のリストを見て覚えたいらしいのですが、貸してやってくれませんか?」
跡「あぁん?そういうことかよ。
なら後でホールで集まった時に貸してやるよ。合宿中は必要になるだろうからな。」

日吉が代わりに言ってくれ、了承を得れたのでこのんは頬を緩ませた。
拒否されると思っていたのだろう。

「ひよしくん…、ありがとー。
跡部生徒会長、ありがとー…ごさいます…」

ぺこりと頭を下げる。
ふと、頭に温かいものが乗った。

跡「気にすんな。
それと、跡部生徒会長じゃねぇ、跡部部長だ。」

温かいものは彼の手だった。
少し手のひらの所々が硬くなった選手らしい大きな手

「跡部ぶちょー…、
わかり、ました。」

へにゃりと笑う。
頭を撫でてもらえるのが嬉しいらしい。
周りのメンツは跡部の行動に目を見開いていたが、そのまま少女をつれ、船の奥へ入って行った。

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