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じょうりく!なの

昼食を食べ終え、皆それぞれ自分たちの部屋へ戻っていたとき、このんは跡部と榊に呼び出された。

二人のもとへいけば、少し厚く大きなファイルを渡される。

跡「これからの予定と部員たちが行うトレーニングメニューとお前が行うサポートのメニューだ。後ろに学校別に部員たちのプロフィールが書いてあるから読んでおけ。」

ファイルを受け取ればパラパラと捲る。
なかなか詳しく書いてあり、少しびっくりしていた。

「…あ…プレイスタイルとか…ドリンクの種類も…ある」

プロフィールに写真と名前のなどの下にプレイスタイルや好みのドリンクの味や濃さが書いてあるのを見つけた。

榊「流石に全部用意するのは大変だろうからだいたいで構わない。
プレイスタイルについては、このんがテニスをしているといつか言っていたからな
勉強になるだろうと思っていれておいた」
「…情報ろーえーしたら、いけない…から…
合宿…終わったら、返す…です。」

パタンとファイルを閉じて見上げながら言えばおかしそうに笑われた。

跡「律儀な奴だな
そんなのだけじゃ情報漏洩にはなんねーから安心して持って帰りやがれ」

跡部に頭を軽く撫でられ、小さく頷いた。

「ありがとーです…跡部ぶちょー、榊監督…」

ぺこりと頭を下げた。

榊「もうすぐ着くから用意して置くように
では、行ってよし」
「ひゃい」

お決まりのポーズと言葉を聞けば噛みながら返事をし、ファイルを大事そうに抱きかかえてホールを小走りで出て行った。








榊グループの管理区である島についた部員たちは船から降りてあたりを見渡していた。

桃「やっぱ金持ちの土地は違うよなぁ…違うぜ…」
不「なかなか自然が多い場所だね…いい写真が撮れそうだ」
遠「コシマエー!ワイと勝負や!!」
越「ヤダ。てかコシマエじゃなくて俺越前だって…」

それぞれ感想を述べている間、このんは浜辺でしゃがみ込んでいた。

竜「おや、どうかしたのかい?」

それに気付いた竜崎先生が声をかけた。
このんは砂を両手ですくい上げて見せた。

「星の…砂…です」
竜「あぁ、本当だ
珍しいねぇ…とりあえず皆のところへ行こうかい。置いてかれちまうよ」
砂を落としたのをみてから竜崎先生はこのんの手を掴んで部員たちのもとへ戻った。
海「…なにかあったか?」

船の中で仲良くなった海堂が話しかけた。

「星の砂…あったです。」
海「…そうか。あまり遠くに行くなよ」
「あい」

頭を撫でられ上機嫌なまま榊監督のもとへ走って行った。
一度合宿所(?)のホールで集まってからいろいろ説明があるようだ。

「ひよしくん、ひよしくん…
おけいこ、できる?」

近くにいた日吉を見上げて尋ねれば彼は目線だけを向けた。

日「さぁな。
ま、合宿の間になまったら厄介だから朝できるようならやる」

跡部さん次第だ、と返されればわかったのかコクコクと頷いた。

皆がホールに集まれば榊監督たちがステージに上がってマイクをとる。

榊「船旅で疲れただろう。
今日は夕方6時まで練習を行い、明日の練習に備えてもらう。
部屋割りのプリントを配っておくので各自荷物を部屋に置いてからコートに集まるように」

榊監督が言い終わったのか竜崎先生がマイクを受け取る。

竜「マネージャーが一人しかいないため、各部長たちは暁来と連絡がとれるよう通信機を渡しておく。
基本コート中央の小屋にいるから怪我人が出たり、ドリンクやタオルを頼んだりするときは使いな。質問はあるかい?」

皆を見渡しながら尋ねれば一人手が上がった。
青学の不二だった。

不「暁来さんだけじゃ大変なんじゃないですか?
三十人強はいますし…」

このんの小ささとひとりだけというのを考えて心配していた。
皆の視線がステージの横にいるこのんに向く。
そのためカーテンの後ろに隠れてしまった。

顔だけをひょこっと出す。
仮保護者の日吉が呆れたように声をかける。

日「阿呆。顔だけ出すな。
さっさと出ろ」

おずおずとゆっくり出てきた。

「ぁぅ…
がんばる…です。ひよしくんひよしくん、いつも通りしたら…いいの…?」
日「いつも通りでいい。」

意味深げな会話に皆不審そうだ。

榊「…暁来の働き具合は見て判断してくれればいい。
もし忙しくなるようならこちらの人間を出そう」
不「そう…ですか…
ごめんね、暁来さん。
びっくりさせるようなこと言って」

榊の言葉に、苦笑気味に不二が謝る。
それにこのんは首を傾げる。
「…えっと、…?」
不「ふふ、気にしないで」
「…あい」
竜「他にはないね?じゃあ皆解散しな」

竜崎先生の言葉を合図に皆それぞれの部屋へ向かって行った。
ステージから降りたこのんはきょろきょろと日吉を探す。

芥「あ!このんちゃんだCー!」
向「日吉ならこっちだぜー!」

芥川と向日がすぐに見つけてくれ、人波に攫われないようにすり抜けて二人のもとに近づいた。

「向日先輩…に…芥川先輩…」
向「おーい、日吉」

向日が日吉を呼べば、近くの小さな人物を見て呆れたような表情になる。

日「…俺は暁来の保護者じゃないんですけど…」
宍「まぁ、いいじゃねぇか」

だるそうな日吉を宍戸が宥める。
このんは不思議そうな顔で見ていたが気にするなと言われ頷いた。

「お部屋…、どこ…?」
日「主語を言え。俺の部屋ならお前の部屋の隣だ。鳳もいるが」
鳳「あ、暁来さん隣だったんだ…。」

日吉が開いている資料を覗き込む。

[桑原・丸井]_____[一氏・金色]
[赤也・柳]_______[跡部・嘩地]
[海堂・桃城]_____[財前・遠山]
[暁来・竜崎]_____[幸村・真田]
[鳳・日吉]_______[榊]
[白石・謙也]_____[不二・越前]

と周りはそんな感じだった。

桃「ゲ、隣竜崎先生かよ…」
海「…しばらくよろしくな、暁来」

隣が自分たちの担任とわかり顔をヒクつかせる桃城に対し、海堂は聞いてないとばかりにこのんに声をかける。

日吉や桃城たちとのんびり話をしながら、自分たちの部屋へ向かった。

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あきゅろす。
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