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ワケのわからない女(跡部side)

午前の練習が終わり、合宿所に帰った俺たちを迎えたのは榊監督の館の使用人たち。
昼食の為に食堂に入れば普通はコック…だが

桃百合「キャアァァッ!景吾ぉ!!v」

何故かワケのわからないピンク髪の女だった。

ピンクの長い髪をツインテールにし、化粧、香水、ネイルアートをした女。
異様なピンク髪をのければそこらの街にいそうな上等な雌猫だろうが…
いきなり俺様の名前を呼び捨てにしたことに対しては異常だ。

跡「あーん?なんだ、雌猫
ここの島は関係者以外立ち入り禁止だろうが」
桃百合「えー!姫華は関係者だもん!!
ちゃあんと、許可はもらってるよぉ!」

語尾を伸ばした明らかかなミーハーでぶりっ子だ。
氷帝学園にもミーハーはいるがここまでの奴は知らねぇ。
まぁ…今は俺様たちテニス部の親衛隊隊長の宇治宮がまとめてくれているためミーハーらしいミーハーはほとんどいねぇが…

手塚の鉄仮面が悪化し、機嫌の良かった幸村が一気に黒く、白石にいたっては固まっていた。

桃百合「あー!!国光に精市に蔵ぁvV
会いたかったよぉー!」

あろうことか幸村に抱きつきやがった。
黒さが10倍になったのは言わずもがなだ。

幸「離れてくれないかな。
それと、勝手に俺の名前を呼ばないでくれる?
素性の知らない人間に呼ばれたくないんだよね」

が、そいつは何を勘違いしたのかよけいに悪化した。

桃百合「姫華の名前を知りたいのぉ?
えっとね、桃百合 姫華っていうの!
姫華って呼んでいいんだよぉvV」
幸「一生呼ばないから
つか離れろ(ド黒笑)」

キレたのか桃百合とかいう女を無理やり引っ剥がした。
どこまてポジティブなのか知れないが(知りたくもないが)照れちゃって〜と喜んでいた。

跡「おい雌猫、邪魔しに来たのならさっさと帰れ
迷惑だ」
桃百合「邪魔なんてしてないよ?
あ、わかった!妬いてるの?精市に抱きついたこと
大丈夫だよぉ、景吾のがもだぁいすきだからぁvV」
跡「…そういう押し付けがましいのが迷惑だといっている。」

俺様の言葉を自分の都合の言いようにしか解釈しないこの雌猫に流石の俺様も我慢の限界だ。

桃百合「ねぇ!マネージャーさせて!
姫華はちゃあんと仕事するし、役にたつし、みんなの為にたくさん応援しちゃうよ♪」

この雌猫…それが目当てでこの場所に来やがったな…

跡「そんなの認められねぇな…断る。」
桃百合「えぇー!!テニス部って人数多いでしょ?だから、姫華にマネージャーさせて!おねがい景吾ぉVv」
跡「…さっきから断ると言っている。」
桃百合「なんで?姫華仕事ちゃんとできるよぉ!
みんなミーハーばっかり見てるから信じれないの?
かわいそぉ…
大丈夫!姫華はちゃあんとみんなのサポートするし、ちゃんとみんなをみてあげる!
それに、姫華はテニスできるの♪
ね、いいでしょぉ精市ぃ」
幸「勝手に名前呼ばないでくれないかな
てか教えた覚えないんだけど(黒笑)」

幸村の黒さも俺様たちの精神な疲労も強くなる一方だった。

財「だいたいアンタなんなん?
いきなり現れていきなり名前よんで
ホンマにうざいッスわぁ」

財前も苛立っているのか厳しい表情になっていた。

手「第一、本当に関係者なのか知りたいのだが…
それに、何故我々の名前を知っているのかについても」

手塚が眉をひそめた状態で尋ねる。
雌猫はこの場に合わない笑顔で答えた。

桃百合「姫華は榊叔父様の姪なの!だから資料で知ったのVv」
忍「榊監督の?ほんまかいな…」
桃百合「ホントだもん!
それよりぃ、みんなご飯食べるんだよね?
姫華も一緒に食べたいなぁ…だめ?」

正直疑わしい。
本当に榊監督の姪なのか?
それに、こんな雌猫と昼飯なんざ食べたくはない。

嫌な空気が部屋を占めていた時、ドアが開いた。
午後の練習の為に準備をしていた暁来と保護者(仮)の日吉だった。
雌猫は目を輝かせて日吉をみていた。

向「おせーぞ日吉に暁来!」
嘩「…お疲れ様…です…。」

嘩地の言葉にへりゃりと暁来が笑った。

雌猫がその瞬間、憎悪を込めた視線を暁来に向けたことに気づいた。
が、すぐに視線は日吉に向く。

?「あVv若ぃ!
はじめましてぇ!姫華は氷帝学園中等部3年に転入する姫華 桃百合って言うの!!よろしくね♪」

日吉も明らかに嫌がった表情をみせた。
日吉が絡まれている間に暁来はバイキングを取っていた。

暁来曰わく、無視するひとは無視…らしい。
ハッ!面白いじゃねーの

コイツが入ってきたおかげで幸村の表情が和らいで、雰囲気も多少よくなった。

榊監督が険しい表情現れて、雌猫を日吉からやんわりと離した。
流石は榊監督だ。

俺様たちはようやくランチに入った。
全く、迷惑な女だ…


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