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あのひとだぁれ?

宍戸からもらったミントガムをもぐもぐと噛みながら仕事を始めたこのん。

ちなみに乾汁はランニングで一定の時間以内に走り終えれなかった人への罰として飲まされた。
飲まされた数人が悲鳴を上げたのを見てこのんが不思議そうな顔をした。

「…ドリンク、飲むです?」
向「さ…、サンキュー…」
小「す、すまん…」

用意しておいたドリンクを彼らに渡しに行った。

ランニングが終われば筋トレやストレッチが始まった。
人数が奇数だったためこのんはストレッチの際に柳生の背中を押していた。

柳生「もう少し強く押されても構いませんよ」
「あい。
やぎゅーさん身体やわらかい…です」
柳生「ありがとうございます」

うにゅーと背中を力を込めて押していく。
柳生は柔らかい笑みを浮かべ、身体を伸ばしていく。

「いーち、にーぃ、さーん、しーぃ、ごーぉ、ろーく、しーち、はーち、きゅーぅ、じゅう!
終わり、です…」

柳生の背中から手を離せば、へにゃっと笑った。
柳生もつられて微笑む。

柳生「ありがとうごさいました、暁来さん」
「どーいたしまして…
あ、あとすることないです…?」
柳生「えぇ。次は筋力トレーニングですし、特にはありません」
「じゃあ、小屋戻る…です。」

バイバイ、と手を振れば髪とひよこリュックを揺らして戻っていった。

幸「いいなー、暁来さんに手伝って貰えて」

ストレッチを終えた幸村が羨ましがった様子で柳生に声をかけた。
柳生はそんな彼に苦笑し応えた。

柳生「明日お願いしてみてはどうです?
ま私の手伝いをしてくださったのはたまたまだったわけですし…」
幸「んー、じゃあ明日のお楽しみにしておこうかな。」

幸村は僅かに年相応な表情を見せた。


筋トレや素振りが終わればラリーが始まる。
ラケットで球を打つ軽快な音がコートで響く。
このんはそれをBGMに洗濯機に使ったタオルを入れていた。

「柔軟剤いれてー、スイッチいれてー、設定してー、蓋をしてー
ぽちっとな」

音を立てて回りだす洗濯機を見届けてから洗濯の終わったタオルを乾燥機に入れた。
外で乾かしたかったが生憎の天気と気温のためそれは不可能だった。実際切原が遊びで濡れたタオルを回したところ凍ってしまった。その後遊んでいたと思われ真田の拳骨を食らっていた。


だいたいの作業が終わればまたお湯を沸かし始めた。
その間は特に用事がなかったので小屋の掃除をする。

「♪きーこーえーてくるーのは鳥のーうた?
いーいえそれは、もーりの鳴き声
かーがやいているーのは月ーの光?
いーいえそれは、…う?」

某唄ロボの子守歌の5番目を歌いながら掃除をしていたときふと窓を見上げた。
歌が途切れたのは、窓の向こうに見える合宿所に人影が見えたからだった。
普通の人影なら館の使用人や料理人だろうと思うが、人影が普通じゃなかったため気になって窓に近寄った。

「…ウィッグ、かな…?女の子…?」

ピンクのツインテールの髪をした私服の少女がそこにいた。
明らかに見覚えがない。
合宿所の使用人の女性たちは皆大人で、黒髪か茶髪、白髪だった。

「…新しい使用人さんかな…?」

にしてもピンクの髪はウィッグだろうか…と悩んだ。
が、乾燥を終えた乾燥機が止まったため次の仕事をする。

しばらくタオルを畳んだり、それからそれを部員たちに渡しに向かったりした為ピンクの髪の少女について頭の中にはもうなかった。



このんがまだ味のなくなったミントガムを噛んでいたことに鳳は驚いていた。

鳳「暁来さんまだ噛んでいたんですか?」
「…ずっと噛んでたら癖になってた、です。」
宍「新しいガムいるか?」

宍戸がその様子を見て苦笑しながら新しいミントガムを渡してきた。
このんは少し考えててから受け取った。

「宍戸せんぱいありがとーございます…」

ぺこりと頭を下げたらパーカーのネコ耳フードを被ってしまった。

千「むぞらしか〜」
金「いやぁ〜ん!かわえぇわぁ♪」
忍「かわえぇなぁ…」
向「ゆーしキメェ」
忍「え、俺だけ扱いヒドくない?」

ネコ耳フードを被ったこのんに千歳、金色、忍足が感想を述べたが忍足だけ向日に引かれていた。

跡「あーん?
…ハッ!可愛らしい子猫じゃねーの」
「にゃー」

跡部に頭を撫でられ、猫の真似をするこのん。
気分は猫らしい

それからネコ耳フードを被ったまま日吉のもとへ行き、無言で頭を撫でられるまであと1分…




―――――――
不覚にも可愛いと思ったようです(笑)

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あきゅろす。
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